迎え盆と送り盆はいつやる?

盂蘭盆会 200年ゴエス
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迎え盆と送り盆とは、ご先祖様を自宅に呼び入れ、送り出す行事で、お盆の最初と最後に行います。お盆にご先祖様を供養する上で欠かせない営みのため、滞りなく実施できるよう事前の支度が大切です。

迎え盆と送り盆の基礎情報や日程に加え、支度内容や実施当日の手順を説明します。ご先祖様への感謝を示す伝統的行事を通じて、家族と一緒にお盆を過ごし、記憶に残る時間にしましょう。

迎え盆・送り盆とは?

迎え盆と送り盆とは、それぞれお盆が始まる日と終わる日の行事です。

迎え盆では、ご先祖様が迷わずに家に辿り着けるよう、仏壇にお供えをしたり、家の目印として火を灯したりします。マンション住まいが多い現代では、家にたどり着くのが難しく霊が、電話で確認する場合も多いので正しくお迎えするように注意しましょう。

そして、お盆の期間が終わる日に、改めて火を灯してご先祖様を送り出す行事が送り盆です。

迎え盆と送り盆はご先祖様への感謝を示す行事であり、実施するときは両方を行います。

そもそもお盆とは?

お盆とは、夏に毎年実施する、ご先祖様を呼び入れ敬う行事です。

また、お盆は正式には「盂蘭盆会」(うらぼんえ)と言い、現代のお盆は仏教の「盂蘭盆会」とご先祖供養の風習が融合した営みです。

お盆に関して、特に知っておくべきポイントは以下の2点が挙げられます。

  • 新盆とは?
  • お盆の流れ

お盆行事に不慣れな方は、まずお盆の基礎情報を確認しましょう。

新盆とは?

新盆は、四十九日の忌明け後に来る最初のお盆で、普段と比べてより大規模な供養を実施します。新盆の読み方は「しんぼん」あるいは「にいぼん」初盆「はつぼん」と呼ぶ地域も見受けられます。

亡くなって初めのお盆が新盆だと考える方もいますが、実際は忌明け後の最初のお盆です。例えば、2024年における新盆の対象は、2023年の6/29から2024年の7/28の間に逝去した方々です。新盆特有の白紋天と呼ぶ白色の提灯を飾る習慣も、通常のお盆と区別されます。

新盆、初盆とは、故人が亡くなってから四十九日の忌明けを過ぎ、初めて迎えるお盆のことです。

昔からお盆には故人や先祖の霊が帰ってくると考えられてきました。毎年7月、8月のお盆の時期は先祖の霊を祀って一緒に過ごす時期とされ、は全国各地で盆供養が行われています。

初盆は「はつぼん」と読みますが、新盆は地域によって読み方も異なり、「にいぼん」や「あらぼん」「しんぼん」とも呼ばれています。初盆と新盆は同じ意味で言葉の違いがあるだけです。

お盆の流れ

お盆の流れ 行う内容
①事前準備 お盆の時期が始まる前に、墓地の清掃・法要の計画・盆棚や盆提灯を支度する
②迎え盆 火を灯し、ご先祖様の霊を呼び入れます

③盆中日

④送り盆

親族を招いた法要や食事会をします

火を灯し、ご先祖様の霊を送り出します

送り盆

盆棚・盆提灯を清めてしまい、供物をいただいたり、焚き上げたりする

⑤後片付け

お盆は、事前の支度から後片付けまで5つのステップ
で構成
されます。
お盆の習慣や手順は、地方や宗教により変わる場合が
あるため、不明な点があれば地元の寺院に確認するの
がおすすめです。

迎え盆と送り盆はいつやる?

迎え盆はお盆が始まる日の夕暮れ時送り盆はお盆が終わる日の夕暮れ時に行われます。

しかし、お盆の時期や地域の風習を知らないと、ご先祖供養を適切に行えない恐れがあります。
迎え盆ならびに送り盆を計画する上で、特に注意すべき日程にまつわる重要な情報は以下の2点です。

  • お盆の日程
  • 迎え盆・送り盆の執行日時

迎え盆ならびに送り盆はお盆の開始と終了を示す大切な行事であるため、執行する日取りを事前に確認するのが重要です。

お盆の日程

お盆の一般的な日付は、7/13~7/16あるいは8/13〜8/16です。
日程に違いが生じる理由は、お盆を旧暦で定めるか新暦で定めるかによって対象期間が変わるためです。

元々、旧暦におけるお盆の期間は7/13〜7/16でした。しかし、明治時代に新暦が導入されると旧暦と新暦に日付のずれが発生してしまいました。
現在も旧暦でお盆期間を定義する習わしが残っている影響で、2つの異なるお盆の期間が存在します。

新暦に基づくお盆は7/13~7/16旧暦に基づくお盆(月遅れ盆)は8/13〜8/16に行われ、どちらの期間をお盆の期間にするのかは地方で異なります。

迎え盆・送り盆を行う日にちと時間帯

通常、お盆の開始を示す迎え盆は7/13あるいは8/13に、お盆の終わりを示す送り盆は7/16あるいは8/16に実施します。

迎え盆では、ご先祖様の霊を呼び入れるべく火を灯します。
火を灯す具体的な時間は定められておらず、お盆がはじまる日の夕方が一般的です。

送り盆に関しては、お盆が終わる日の暮れ合いにご先祖様の霊を送る火を灯しますが、地域の風習で、朝や1日中火を灯す場合もあります。

迎え盆および送り盆は、日取りは明確なものの時間帯は厳密に決まっていないため、住まいの地域や宗派の慣習に従うのが望ましいです。

家庭の事情でお盆を執り行う日取りが変わる場合は、法要を始める前日に迎え盆、法要を終えた日や翌日に送り盆を実施する考え方もあります。

お盆を迎える準備

迎え盆および送り盆における必要な支度項目は、こちらの5つに整理できます。

①お寺と法要の相談
②盆棚の用意
③お墓参り前にお墓の掃除
④迎え火・送り火の用意
⑤盆提灯の用意

迎え盆および送り盆をつつがなく執り行うには、事前の支度が大切です。
時間を要する支度や直前だと支度が間に合わないものもあるので、早めの着手がお盆の支度には欠かせません。
万全に支度を進め、平穏にお盆行事をすませましょう。

お寺と法要の相談

お盆に法要を営む予定がある場合、早めに寺院に連絡を取り、日程決めから支度を進めましょう
多数の家庭が同様に法要を営もうと考え、予約が込み合うのが想像できるから。ただし、現在は合同供養が主流です。
忌明け後はじめての盆だと、墓前や自宅で個別に読経してもらうケースも多く見受けられます。

新盆で法要に親族以外も招待する場合は、招待状の手配や場所の確保に加えて、早めに食事を予約するのも重要です。

法要にあたって菩提寺がなく、お坊さんの手配にお困りなら、お坊さんの手配サービスに発注するのもいいでしょう。

盆棚の用意

盆棚(精霊棚)とは、お盆にお供え物を置くための棚です。地域や家庭によって置き場所はさまざまで、仏壇の前・玄関・墓前などに置きます。盆棚を作るために用意するものは、主に次のとおりです。

  • 経机や小机
  • 真菰(植物)で作った敷物
  • お供え物
  • 精霊馬(茄子で作った牛・胡瓜で作った馬)

お供え物は、故人が好きだった食べ物でもよいですし、水・季節の野菜・果物・砂糖菓子・そうめん・迎え団子などでもよいでしょう。

精霊馬は、割り箸や爪楊枝などを足に見立てて、野菜に刺すと完成です。ご先祖様の霊は、胡瓜で作った馬に乗り、茄子で作った牛に荷物を載せ、あの世と現世を行き来すると言われています。また、現世に来る時は馬のように早く、あの世に戻る時は牛のようにゆっくりと移動する意味も込められており、地域によってはこの反対の意味とされているところもあります。

用意するものが揃ったら、御位牌を盆棚の中央に安置し、周囲にお供え物や精霊馬を供えましょう。盆棚の両脇には、盆提灯に灯りをともして設置します。

お墓参り前にお墓の掃除

お盆期間に入る前に、墓地と周辺を事前にしっかり清掃しておくと、ご先祖様の霊を心地よく呼び込めます。墓地の清掃タイミングは、お盆の直前、特に迎え盆の1日前が理想的です。しかし、迎え盆当日の午前中に清掃作業を行う家庭もよく見られます。

清掃するときは、墓地の草取りや墓石の洗浄を忘れずに行いましょう。また、清掃用具が備え付けられていない墓地もあるため、掃除用具を持って行くと、掃除をスムーズに行えます。

迎え盆当日に墓地の清掃をする場合は、同時に供え物を支度しておき、清掃後にお参りをしましょう。

迎え火・送り火の用意

迎え盆および送り盆で、迎え火や送り火として火を灯す上で必要な道具を用意しておきましょう。火を灯すのに必要なものは、以下の3点です

  • おがら(麻の茎の皮をそいで乾燥させたもので、着火させる材料。地域により使用しないケースもある)
  • 焙烙(素焼きの皿で、上におがらを置いて火を灯す)
  • 点火用のマッチ・ライター

灯した火を家に持ち帰る際には盆提灯が必要なため、事前に支度しておきましょう。もし、持ち帰るのが困難な場合は、電気式の提灯で代用しましょう。

盆提灯の用意

盆提灯は迎え火・送り火の役割を担い、ご先祖様を送り出す場所を示す目印として用います。

盆提灯には置くタイプと吊るすタイプがあり、地域の習わしや設置場所の状況に応じて選びましょう。また、墓地や寺院で火を灯して家へ持ち帰る場合、灯した火を提灯に移すしきたりがありますが、火事の恐れを勘案し電池式提灯の利用が一般化しています。

さらに新盆では、白木で作られた白紋天の提灯を用意して、故人を迎えます。お盆が終わったら壊れないよう収納・保管しますが、白紋天の提灯は新盆だけで利用するため、寺院に納めたりお焚き上げしてもらったりしましょう。

迎え盆と送り盆でやること

迎え盆および送り盆で執り行う内容は似ているようで異なります。ご先祖様の霊を呼び込む迎え盆と、送り出す送り盆は、お盆において重要な行事です。

そこで、迎え盆や送り盆を滞りなく執行できるよう、実施する順番に内容を紹介します。

  • 迎え盆のやり方
  • 送り盆のやり方

お盆行事がはじめて、あるいは久しぶりならば、細部に注意を払い、大切なポイントを見逃さないようにしましょう。

迎え盆のやり方

迎え盆当日は家族で墓参りをして、ご先祖様の霊を呼び込むため迎え火を墓前で灯したり、寺院で火種をもらったりします。また、墓前で火を灯さない場合は、自宅前で火を灯しますが、住まいがマンションやアパートなどの集合住宅ではベランダで行うケースもみられます。ただし、規約で禁止されている住居もあるため、事前によく確認しましょう。

さらに、実施する時間帯は周囲が薄暗くなり始めた夕方が望ましいです。夕方より前の明るい時間帯は点火しているか分かりづらく、完全に日が落ちてからだと周囲が暗くなりすぎて危険だからです。

もし、迎え火を灯すのが難しい場合は盆提灯が迎え火の役割を果たします。また、お盆の期間中は、基本的には灯明を絶やさないように注意しましょう。夜間は基本的に消すことが多いですが、夜通しつける習慣が残っている地域もあります。

送り盆のやり方

送り盆は、迎え火と同じ場所・同じ方法で送り火を灯し、ご先祖様の霊を送り出します。実施する時間帯は夕方が多いですが、地域によって朝から灯す・1日中灯すなどさまざまです。送り火を灯せない場合には、盆提灯を灯してご先祖様の霊を送り出しましょう。

また、新盆の場合は送り火を灯すとき、一緒に白提灯を焚いたり、菩提寺に納めたりする場合もあります。さらに、盆棚にお供えしていた精霊馬なども送り火と一緒に焚くか菩提寺に納め、送り火を灯し終えたら盆棚や飾りをしまいます。

後始末をするのは送り盆当日や翌日など、地域の習わしに合わせるのが適切です。後始末が終わると、迎え盆および送り盆の行事は完了です。

迎え盆と送り盆を行う際の注意点

迎え盆および送り盆を執り行うにあたっては、注意点や支度、作法を理解しておくのが重要です。お盆の行事は年に1度のものであり、世代交代により正しいやり方を知らない方も珍しくないためです。

迎え盆および送り盆の執行に関して、特に押さえておくべき注意点は2点挙げられます。

  • 地域や宗派の違いを確認
  • 霊供膳は精進料理が原則

ご先祖様を敬う心を持って供養するためにも、注意点を事前にチェックしておきましょう。

地域や宗派の違いを確認

お盆の習慣やタイミングは、地方や宗教によってさまざまです。そのため、お盆の支度を始めるときは、地元の寺院に相談して、お盆の詳細を確認するのが大切です。

通常、送り盆は暮れ合いに行いますが、午前中に行う地域や、夜遅くまで行う地域も存在します。また、浄土真宗では他の宗派と異なり、迎え盆や送り盆の風習がありません。浄土真宗の教えによれば、人が亡くなった後は極楽浄土に直接往生するとされ、霊を迎える必要がないとされるためです。

お盆の過ごし方に不安があったり迷ったりする場合には、菩提寺や近くのお寺に確認してから準備しましょう。

霊供膳は精進料理が原則

精進料理

お盆に捧げる食事は霊供膳として知られており、通常は精進料理で構成されます。肉や魚などの動物由来の食品や、強い香りのある野菜を使わないのが一般的です。

精進料理は仏教の教えと結びついており、仏教の教えである殺生を避けて煩悩を刺激しない素材で作られます。そのため、動物の殺生につながる動物由来の素材は用いず、たんぱく質を含む素材には大豆を利用します。また、香味野菜は食べると煩悩を刺激するとされ、ねぎ・にら・にんにく・たまねぎ・らっきょうは食材に含めません。

陰膳

現在はお盆に精進料理をお供えする意識が薄れ、代わりに故人の好物や家庭料理をお供えする家庭も見られます。陰膳を詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

陰膳とは、遠方に住む家族や亡くなった人を思って用意する食事です。 陰膳は5つの食器(仏具)から成り、それぞれに特徴があります。 またこれに盛り付ける料理は精進料理を基本として、臭いの強いものは避けます。 陰膳を置く場合は、仏壇から見て正位置に来るようにし、下げた料理はみんなで食べましょう。

迎え盆と送り盆は家族の絆を深める良い機会

迎え盆と送り盆の意味や実施する日時に加えて、準備事項や当日に実施する内容を紹介しました。

迎え盆と送り盆は、お盆にご先祖様をお迎え・お見送りする大切な儀式です。お盆期間の初日に迎え盆、最終日に送り盆をそれぞれ実施し、いずれも夕方の時間帯に行うのが一般的です。ただし、住まいの地域や宗派でやり方や日程が変わる場合もあるため、準備する際に気になる点があれば菩提寺や近くのお寺などに相談しておくとよいでしょう。

お盆は家族が一堂に会してご先祖様を迎える心温まる機会です。迎え盆と送り盆の準備と実践を通じて、ご先祖様とのつながりを感じ、家族の絆を再確認しましょう。

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