『ライフシフト-200年時代の人生戦略』
「若い人ほど長く生きる可能性が高い。10年ごとに平均2~3年のペースで平均寿命が上昇していることを考えると、2007年生まれの50%が到達する年齢が104歳なら、10年前の1997年生まれの人の場合、その年齢は101~102歳という計算になります。
2107年には主な先進国では半数以上が100歳よりも長生きするといいます。世界でも指折りの長寿国である日本には、100歳以上の人(センテナリアン)が、すでに6万1000人以上いますが、国連の推計では、2050年までに、日本の100歳以上人口は100万人を突破する見込みです。
平均寿命が延びると社会に一大革命をもたらし、あらゆることが影響を受けます。引退後の時間が延びるため、従来の生き方では引退後の残った人生を支えられなくなってしまいます。
新著LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略を発行したリンダ・グラットン教授が提唱するのは、「年齢=人生のステージ」の考え方は、もう通用しない。さらに仕事に囚われない多様な生き方が必須だといいます。
これまで、80歳程度の平均寿命を前提に「教育→仕事→引退」の3つのステージで考えられてきた典型的な人生は抜本的に考え直されなければならないといいます。
107歳まで生きることになれば、私たちは生涯でもっと多くのステージを経験するようになり、働き方の選択肢を増やすことになります。1度の教育だけで足らず、何度も自分のスキルセットを新たに磨かなくてならなくなるとリンダ・グラットン教授は警鐘を鳴らします。
ステージ
今後「エクスプローラー」「インディペンデント・プロデューサー」「ポートフォリオ・ワーカー」「移行期間」というステージが生まれると強調します。
・エクスプローラ
「エクスプローラー」探検者とは、これからなにするかを見つけるために、教育を受けたり、旅に出たりと収入のない活動的なステージです。再教育・再出発のために必要なステージとして必須だといいます。
・インディペンデント・プロデューサー
インディペンデント・プロデューサーとは、本書の定義では、その言葉の通り自立するための担い手であり、職を探す人ではなく、自分の仕事を生み出す人のこと。生計を立てる程度の小さな仕事を自分で作ってこなしながら、学習を続けるステージと言うことになります。新しいファクターを含む案件を受託したり、自分が独自性のあるサービスをはじめたりして、少しずつスキルの幅を拡大していくイメージです。
村でWebを使ってセーターを販売していたら、世界をマーケットに販売するようになったという事例をあげています。
・ポートフォリオ・ワーカー
何かの分野でキャリアを積んだ人が精通し、講師のようなポジションになり後進を育てたり、地域のコミュニティに貢献したり、複数の役割を同時期にこなすステージです。次のステージである人生の「移行期間」で何を実現していくかということを考えることにも役に立ちます。
・移行期間
「仕事」を変える期間
目次
LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略
◆目次◆
序章 200年ライフ
第1章 長い生涯
第2章 過去の資金計画
第3章 雇用の未来
第4章 見えない「資産」
第5章 新しいシナリオ
第6章 新しいステージ
第7章 新しいお金の考え方
第8章 新しい時間の使い方
第9章 未来の人間関係
終章 変革への課題
長寿時代の人生コースは複雑で多様なものになり、一人ひとりが自分のアイデンティティにもとづくライフスタイルを選択しなければならなくなります。
平均寿命107歳を想定して、長寿国・日本政府は、このことを重く受け止め、先の「一億総活躍社会」に続き「人づくり革命」を議論する有識者会議の名称を「人生100年時代構想会議」にすると発表しました。
終活のゴエス、一般社団法人いきいきゴエス協会では、自立支援として世界でいちばん美しい『育てなおしジュカイエ』を開催しています。
日テレNEWS24
政府は安倍改造内閣の目玉政策と位置づける「人づくり革命」を推進するため、「人生100年時代構想会議」を立ち上げると発表した。
これは茂木経済再生相が会見で明らかにしたもので、「人生100年時代構想会議」は有識者によって構成され、事務局には内閣府や文部科学省、厚生労働省などから約30人の職員を集めたという。
茂木経済再生相は、「従来の発想にとらわれず大胆な改革を進め、さまざまな分野で制度の見直しを進める。誰もが人生を再設計できる社会をつくる」と強調した。
具体的には、学び直しをすることで中高年の人たちに多様な雇用の機会を設けたり、社会保障分野では高齢者を中心とした給付から全世代型に変えたりするなど幅広い分野について議論される見通し。(日テレNEWS24)
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