働きながら介護に携わる人がたくさんいます。同居介護は700万人にのぼります。
その内、男性が40%に及びます。その内約60%は40~50代です。
そこで問題になっているのが介護離職です。
働き盛りの管理職の辞められたら企業にとっても大きな損失です。
いまでは年間10万人の人が介護離職しています。
しかし介護離職してしまうと人生が一変します。
待った無しに選択を余儀されますが、その日のために準備しておくことをお勧めします。
介護サービスは24時間体制ではないので、どうしても同居者の介護が必要になります。
実際、介護サービスは夫婦が揃っていて、そのどちらかが在宅という前提で作られています。しかし家制度が崩壊していて家族機能が十分に機能していない状態では、十分に機能する介護サービスなど存在しないのです。
そこで仕方なしに、特別養護老人ホームに入れようとしますが、要介護3に達していないとか、200人待ちとか言われると、お手上げになり、ディサービス、ショートステイ、訪問ヘルパーを使ってしのぐか、介護付きマンションを選択するしかなくなります。
しかも徘徊の習慣があるとどこでもというわけにはいかなくなります。あっても費用は高くつきます。
なにより親の年金と一定の蓄えで乗り越えようとすると、介護離職の行き先は貧困生活になるので、再就職しようとすると以前のような条件での就職は困難になります。
しかも離職した時からそれまで加入していた健康保険や厚生年金から、国民年金、国民健康保険への移行を余儀なくされます。
なので、一旦落ち着いて全体像を把握するようにすることをお勧めしますが、待ったなしになることが多いのです。
そもそも特別養護老人ホームはいっぱいですが、多くの人が早めに予約していることもあり、200人待ちみたいなことになっています。
ほとんどの場合、1年前後の待機を余儀なくされますが、場合によれば定員割れの施設もあるので、あせらず対処するのが良いでしょう。
運が良ければの側面があるにしろ、都市部を離れるとないこともないので気をつけて探すようにしたいものです。
介護うつという問題も浮上していて、家族介護者の集いも増えています。ほんの数分でも話できることで鬱憤も晴れます。地元スーパーなど身近な場所で行われているので、気をつけて情報キャッチに努めるのがいいでしょう。この種の情報は集まる人のもとには集まるものです。
介護予防の集会に出かけてもどこに行っても、男性は2割程度しかいません。
男性にとって近所付き合いが苦手なのは仕方がないことですが、この点も気をつけるようにしたいですね。
日頃からスーパーへ買い物に行ったり、食事の用意や掃除、洗濯など、女性のする仕事に慣れておき女性脳を鍛えておくことが、いざという時の免疫につながっているように思います。
介護は育児と違い先が全く見えません。
どれだけ我慢したらよいというものではないので、精神的に不安になり、怒りを被介護者にぶつけられることもあります。
双方にとっての悲劇になるので、それだけは避けたいものです。
一番苦しいのは被介護者本人であることは間違いありません。
昔は親戚や知人がすぐ近所にいたものです。
それがないだけに介護者本人に負担がのしかかります。
ケアマネジャーや終活カウンセラー、介護スタッフに相談しながら、危機を乗り切るようにしましょう。
また仕事については、5年のブランクがあると5年の経歴があっても通用しないこともあります。
落ち着いても、以前と同じ職に戻れるかは難しい現状とはなりますが、努力しておけばブランクを軽減できます。
介護離職しても、介護を仕事のように思い込まず、自分の仕事は別にあるという意識を捨てないようにしておきましょう。
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