2018年10月1日時点での法令改正
国民年金の後納制度の終了
改正前:
国民年金の後納制度により、過去5年にさかのぼって国民年金の保険料を納付することができます。
改正後:
国民年金の後納制度終了により、未納となっている国民年金の保険料は、過去2年までしかさかのぼって納付することができなくなります。
※この改正内容は、2018年10月1日以降に適用されます。
個人型確定拠出年金の中小事業主掛金納付制度
中小事業主掛金納付制度が始まります。中小事業主掛金納付制度は、その従業員の掛金との合計が月額23,000円相当の範囲内で、 個人型確定拠出年金に加入する従業員の掛金に追加して、事業主が掛金を拠出できる制度です。
中小事業主掛金納付制度を利用できるのは、企業型確定拠出年金、企業型確定給付年金、厚生年金基金のいずれも実施しておらず、厚生年金被保険者数が100人以下の事業主に限られます。
※この改正内容は、2018年5月1日以降に適用されます。
介護保険制度で自己負担3割の開始
改正前:
介護保険利用時の自己負担額は原則1割です。
ただし所得が一定以上の方は、自己負担額が2割となります。
改正後:
介護保険利用時の自己負担額は原則1割です。
ただし所得が一定以上の方は、自己負担額が2割となり、さらに高い基準で一定の所得を超えている方は、自己負担額が3割となります。
※この改正内容は、2018年8月1日以降に適用されます。
国民健康保険で産前産後期間に保険料を免除
改正前:
国民年金第1号被保険者は、産前産後期間中も国民年金保険料を納付しなければならない。
改正後:
国民年金第1号被保険者は、産前産後期間中は国民年金保険料が免除される。この免除期間は、基礎年金受給額の計算において、保険料を納付したものとみなす。
※この改正内容は、2018年4月1日以降に適用されます。
休眠預金の取り扱い
2019年1月1日以降、過去10年以上取引の無い預金等は、休眠預金等として取り扱われ、その預金は預金保険機構に移管されます。
休眠預金として移管後も、預金者本人は本人確認を経て、引き出すことはできます。
国際観光旅客税
日本から国外に出国する場合、出国1回につき1000円の国際観光旅客税を支払う必要があります。
※この改正内容は、2019年1月7日以後の出国に適用されます。
法人税率
2019年4月以降も、引き続き下記の法人税率が適用されます。
所得が 800万円以下 |
所得が 800万円超 |
|
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大法人 | 23.4% | 23.4% |
中小法人 | 15% | 23.4% |
空き家に係る譲渡所得の特別控除
改正前:
被相続人が老人ホームに入所していた場合、本特別控除の適用を受けられません。
改正後:
被相続人が老人ホームに入所していた場合、要介護認定を受けていれば、本特別控除の適用を受けられます。
※この改正内容は、2019年4月1日以後の譲渡に対して適用されます。
教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税特例1
改正前:
贈与者が死亡した場合、その死亡時点での残高は、被相続人の相続財産には加算しません。
改正後:
贈与者が死亡した時点において、以下のいずれかに該当する場合は被相続人の相続財産には加算しません(逆に、いずれにも該当しなければ、相続財産に加算します)
- 受贈者が23歳未満である
- 受贈者が学校等に在学している
- 受贈者が、教育訓練給付金の対象となる教育訓練を受講している
※この改正内容は、2019年4月1日以後の贈与に対して適用されます。
教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税特例2
改正前:
受贈者の所得要件はありません。
改正後:
受贈者の前年の合計所得金額が1000万円を超える場合は、本特例の適用を受けられません。
※この改正内容は、2019年4月1日以後の贈与に対して適用されます。
結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税特例2
改正前:
受贈者の所得要件はありません。
改正後:
受贈者の前年の合計所得金額が1000万円を超える場合は、本特例の適用を受けられません。
※この改正内容は、2019年4月1日以後の贈与に対して適用されます。
遺言の財産目録の様式
改正前:
遺言全文(財産目録を含む)は、手書きによる直筆でなければならず、パソコン等で作成したものは無効となる。
改正後:
遺言本文の中の財産目録については、所定の要件を満たせばパソコン等での作成が認められるようになる。
財産目録以外の記述については、パソコン等で作成した場合は無効となる。
※この改正内容は、2019年1月13日以後に書かれた遺言に対して適用される。
小規模宅地の特例(事業用)
改正前:
相続開始前3年以内に事業の用に供された宅地も、小規模宅地の特例の適用を受けられます。
改正後:
相続開始前3年以内に事業の用に供された宅地は、原則として小規模宅地の特例の適用を受けられません。
ただし下記の要件をすべて満たしている場合は、特例の適用を受けられます。
- その宅地上で、事業の用に供されている減価償却資産がある
- その減価償却資産の価額が、当該宅地の価額の15%以上である
※この改正内容は、2019年4月1日以後に発生する相続に対して適用される。
個人事業者への事業用資産の贈与税・相続税の納税猶予
2019年1月より、個人事業主が事業用資産を相続または贈与で取得した場合に、一定要件のもと、その事業用資産に対応する相続税や贈与税の税額が猶予されます。
被相続人の事業の用に供されていた土地は、その面積のうち400m2を上限に、建物は床面積のうち800m2を上限として納税猶予の対象となります。
この納税猶予の対象となった土地は、小規模宅地の特例の適用を受けることはできません(併用は不可)
また、被相続人と相続人が、ともに青色申告の承認を受けている必要があります。
以下に挙げる点は、非上場株式の納税猶予と同じものとなっています。
- この納税猶予の適用を受けるためには、特例継承計画を作成し、都道府県知事の確認と認定を受けなければならない
- 贈与税の納税猶予から、相続税の納税猶予へ移行できる
- 猶予の取り消しとなった場合は、猶予された税額に加えて、利子税の納付が必要
2019年10月1日時点での法令等
給与所得控除の改正
改正前:
給与所得控除額の上限は、220万円です(給与収入1000万円超)。
改正後:
給与所得控除の額を、従来より一律10万円引き下げます。
そのうえで、 給与所得控除額の上限が195万円になります(給与収入850万円超)。
※この改正内容は、2020年度の所得税より適用されます(2018年1月1日以後に生じる所得から適用対象)。
住民税は2021年度より適用されます。
公的年金等控除の改正
改正前:
所得の金額に関係なく、既定の公的年金等控除を受けられます。
改正後:
- 公的年金等控除の額を、従来より一律10万円引き下げます。
そのうえで、公的年金等控除額の上限が195.5万円になります。 - 公的年金等雑所得以外の所得の合計額が1000万円超の場合は、上記1の公的年金等控除額から、さらに10万円引き下げます。
- 公的年金等雑所得以外の所得の合計額が2000万円超の場合は、上記1の公的年金等控除額から、さらに20万円引き下げます。
※この改正内容は、2020年度の所得税より適用されます(2018年1月1日以後に生じる所得から適用対象)。住民税は2021年度より適用されます。
FP業界での注目度が非常に高いため、この試験から出題される可能性があります。
基礎控除の改正
改正前:
どの納税者も、所得税では38万円、住民税では33万円の控除額です。
改正後:
基礎控除額を、従来より一律10万円引き上げ、所得税では48万円、住民税では43万円となります。
ただし、合計所得金額が2400万円を超えると段階的に基礎控除の額が下がり、2500万円を超えると基礎控除額は0円となります。
※この改正内容は、2020年度の所得税より適用されます(2018年1月1日以後に生じる所得から適用対象)。住民税は2021年度より適用されます。
FP業界での注目度が非常に高いため、この試験から出題される可能性があります。
青色申告特別控除額の改正
改正前:
原則は10万円、ただし取引を正規の簿記の原則に従って記録している場合は65万円です。
改正後:
原則は10万円のまま、取引を正規の簿記の原則に従って記録している場合は55万円に引き下げられます。
ただし、正規の簿記の原則に従って記録をし、さらに電子帳簿保存または電子申告(e-Tax)のいずれかを行う場合には、控除額は65万円となります。
※この改正内容は、2020年度の所得税より適用されます(2018年1月1日以後に生じる所得から適用対象)。住民税は2021年度より適用されます。
FP業界での注目度が非常に高いため、この試験から出題される可能性があります。
配偶者控除など人的控除の要件
改正前:
配偶者控除の適用要件:配偶者の合計所得額が38万円
配偶者特別控除の適用要件:配偶者の合計所得額が38万円超123万円以下
扶養控除の適用要件:扶養親族の合計所得額が38万円
改正後:
配偶者控除の適用要件:配偶者の合計所得額が48万円
配偶者特別控除の適用要件:配偶者の合計所得額が48万円超133万円以下
扶養控除の適用要件:扶養親族の合計所得額が48万円
※この改正内容は、2020年度の所得税より適用されます(2018年1月1日以後に生じる所得から適用対象)。住民税は2021年度より適用されます。
FP業界での注目度が非常に高いため、この試験から出題される可能性があります。
住宅ローン控除
改正前:
住宅ローン控除の控除期間は、最大で10年です。
改正後:
消費税10%で購入した場合は、住宅ローン控除の控除期間は、最大で13年になります。
11年目以降は、住宅ローンの年末残高の1%と、税抜き建物価格×2%÷3のいずれか小さい金額が、住宅ローン控除の控除額となります。
※この改正内容は、2019年10月1日以後に取得する不動産に適用されます。
ふるさと納税
改正前:
全ての市町村と都道府県が、ふるさと納税の対象(2000円の自己負担で返礼品がもらえる)
改正後:
総務大臣が指定した市町村と都道府県に対してのみ、ふるさと納税の対象となる。
その指定の基準は、下記の2つです。
- 返礼品の返礼割合を3割以下にすること
- 返礼品を地場産品にすること
※この改正内容は、2019年6月1日より適用されます。
教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税特例1
改正前:
受贈者が30歳になるまでの間になされた贈与は、非課税の対象となります。
改正後:
受贈者が23歳未満のときになされた贈与は、非課税の対象となります。
受贈者が23歳以上のときになされた贈与のうち、学校等以外に支払われる教育費は、原則として非課税の対象外となります。ただし例外的に、教育訓練給付金の支給対象となる講座の受講費用は、非課税の対象となります。
※この改正内容は、2019年7月1日以後の贈与に対して適用されます。
教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税特例2
改正前:
受贈者が30歳に到達した場合、その時点の教育資金の残高に対して贈与税が課税されます。
改正後:
受贈者が30歳に到達しても、以下のいずれかに該当する場合は、贈与税が課税されません(ただし40歳に到達したら、必ず贈与税が課税されます)
- 教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している
- 学校等に在学している
※この改正内容は、2019年7月1日以後の贈与に対して適用されます。
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