無形資産の教科書|「十牛図」人牛倶忘と空一円相

「十牛図」人牛倶忘(じんぎゅうぐぼう/にんぎゅうぐぼう) ライフデザイン
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「十牛図」人牛倶忘(じんぎゅうぐぼう/にんぎゅうぐぼう

前回7枚目の「忘牛存人(ぼうぎゅうぞんじん/ぼうぎゅうそんにん)」では牛が消えましたが、「人牛倶忘」では、うたた寝をしていた牧人も突然いなくなりました。真っ白い丸の一円だけになりました。

あるのは、ただ空白だけ。牧人になにが起こったのでしょうか。

「十牛図」人牛倶忘と空一円相は、次のような方におすすめです、

この記事は以下の方におすすめです

  • 頑張っているので望む結果が出せないでいる方
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  • これから何かを始めようとしている方
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「十牛図」人牛倶忘

得牛

 

「人牛倶忘」では、仏教が説く、おなじみの「空」という究極の真理に到達しました。

「空一円相」の図は、よく見かけるので、有名ですよね。

牛(真の自己)を牛小屋に入れて、物語は、終わったように思いますが、ここで「空一円相」になるとは、重要な意味がありそうです。

無我(空)

一人一宇宙

自分とは、宇宙とは。

根本の問いを追いかけて、「牛(悩める自分)」を追いかけて、牧人は旅に出ました。

そこで「人牛倶忘」にたどり着きました。
牧人は「無我(空)」を発見したのです。

それがなにか解けない私たちの場合、「忘牛存人」でやっと「本当に自分になった」と思ったら、「我はない」と言われたら凹みますよね。

「我はない」「無になれ」とは、自分がいないわけではありません。
人は誰でも因果まみれで育っています。因果まみれの自分がいます。(=消えた牛の姿でした)

父も母も同じです。孤児として育っても、育ててくれた人も因果にまみれています。
因果とは原因と結果です。お金持ちの人に育てられても貧乏な人に育てられても、みんな因果かあって、いまがあります。

孤児であることも、お金持ちも貧乏も、それ自体の特別な意味はありません。

因果から離れたくて煩悩を持ってしまいます。煩悩は執着になり、やがて人を束縛し苦しみに変わります。でもこれは本質ではありません。

「自分探し」という人は違和感を感じている人でしょう。自分を探しに旅にでるのもヒントを求めるからでしょう。
どんな因果が自分の煩悩に繋がっていて、束縛しているのか、その真実を発見するのは難事業です。

「無我」という言葉は、この難事業の成果です。

私たちが「我を忘れる状態」とは、なにかに没頭したときです。
仕事、スポーツ、会談、恋愛、買い物、依存症のつく行為すべてにあります

それら慣れると刺激が弱まるので、刺激を刺激で補強したくなります。
必ず「我を忘れることができない状態」になるので、より強い刺激を求めてさらにのめりこみます。

しかし、その方法は、ほとんど失敗します。

因果、煩悩という仕組みが何一つ解決されないまま、刺激で忘れているだけだからです。

解決のアプローチを間違えただけでなく、人生を間違えてしまっているのです。

「人牛倶忘」あるいは「空」

仏教では「あらゆる存在(自分・事物・自然・宇宙)は存在しない」と説きます。

釈尊は、「神が創り給うた」とするキリストの教えすら否定したのです。

空とは、言葉で表現できない摩訶不思議なものを意味します。

その真意は、「空になれ」「空を悟れ」という釈尊の励ましだと受け取れば合点がいきます。(少なくとも私の場合)

仏道では言葉、知識ではなく、実践を尊びます。

そのアプローチのひとつが「瞑想」です。

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空一円相

空一円相
空とはなんでしょう。「なりきる」ことです。
「なりきれば(自分は)消えてしまうからです。」

空とは、心をただ休めるだけで経験する広々とした感覚です。

まどろんでいた牧人が「真の自己になりきった」ことで、「真の自己」も空になりきって、広々とした感覚になりきったのです。空とはなにもない、空っぽという意味ではありません。

空を夢と置き換えてみると解りやすいと思います。
夢を見る人に心がないと夢はありません。
夢はその人を取り巻くあらゆる条件や環境が重なって生まれます。

同じことをネガティブな要素に置き換えてみたら、どうなるでしょう。
怒り、憎しみ、恨みも自分が作り出したものだと解るでしょう。

もし、まどろんでいた牧人が「おれは真の自己になりきった」と自慢気に語れば、その途端に牛を見失い、いちばん最初の絵である「尋牛」の図に戻ってしまいます。

無分別智の幸せ

無分別智

自分は、上の写真を撮るために、レンタルの馴れない自転車コギコギ、行って、知らない町の真っ暗な道を通って帰ってくるのに、合計10時間ほど費やしてしまいました。

ここで言ってること自体が褒められてことではないのですが、このことを思っていると、「無分別智」は途端に「分別智」になり、「慢」が生まれてしまいます。

そうすると、私は夕陽が美しい稲佐の浜から追い出されて、静かだった海は荒れ、台無しになります。

実際には、この写真の美しさを台無しにせずに済んでいるのは、この写真への私の念が強いので、余計なことは一切考えずに済んでいる次第です。

念が強いとなりきれると申し上げておきましょう。

仏道の根本思想に「縁起の故に無我である」という考えがあります。

自分は多くの縁から生じたものだから、自分は存在しないというわけです。
だかといって、「もともとのいのち」がないわけではありません。

「もともとのいのち」と「自分」という概念・・・・
「自分」という概念はないということです。ここが解りにくいのです。

忘牛存人」では、牛(=概念の自分)が消えました。
人牛倶忘」では、牛も人も消えました。概念の自分を考えていた人もいなくなり、空(もともとのいのち)だけです。

おにぎりの宇宙

おにぎり

私はおにぎり禅を毎日しています。

「ごはんがおいしい」と感じるはじまりは、数粒の米から始まり、舌、神経、脳、60兆のの細胞が縁(ネットワーク)とつながっています。

さらにお米には、お米になるために、農家の方々、水、太陽、大地、地球の縁があります。

さらにお米がごはんになるには、火、ごはんに変わる場所、大地、地球、星、140億光年の宇宙の果てという全宇宙との縁でつながっています。

すごいですね、ごはん一粒が、一粒を食べる自分が、こんなにも膨大な縁でつながっているのです。

無明


無明

仏道を習うとは自分を習うことだといいます。自分を習うとは忘れることだといいます。

自分へのこだわりを捨てて無心になり、自分を広い世界にゆだねてみる時、はじめてその自分を根底から支え、生かしてくれている命の世界に出合うことができるという意味です。

子どもは生まれたときから無明です。生まれた時からエゴがあります。

自分を習うことなく、無明から抜けないでいると、死ぬまで執着にこだわり続けます。

「それで良し」と思うことすらなく「無明」に気づくこともなく、(原因=)結果を生きています。

「十牛図」8枚目の「人牛倶忘」に到達するには、因果(原因=結果)を正すしかありません。

それが「真の自己」になる道です。
「私らしく生きたいのです」とは対極にあると思う次第です。

まとめ

慢

『「十牛図」人牛倶忘と空一円相」』はいかがでしたか?

マインドフルネス、禅をしていると、自分はこれだけ進歩したと考えてしまいます。

そう思った瞬間、マインドフルネス、禅の効果を手放してしまいます。

「それは気づかない内に、自分の否定をしていることに他ならないからです。

否定の裏には、苦しみが貼り付いています。

苦しみから抜け出るために、「こういう自分になりたい」と思うほど、傲慢になっていきます。

なぜでしょう。

否定の連鎖が起こり、「こういう自分になりたい」と強く願うほど、貪・瞋・癡(とん・しん・ち)の三毒が溢れ出してしまうからです。

「十牛図」人牛倶忘は、これを戒める意味で、空の力を説いています。

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