【終活のゴエス】遺言(いごん)

遺言 ゴエス

遺言

相続トラブル

法廷(家庭裁判所)に持ち込まれた遺産トラブルの件数が増加しており、1985年には6,176 件でしたが、2010年には13,600 件となっており、25年間で実に2倍以上になっています。

親族間の対立はお金の問題に終わらず感情的なトラブルになり、関係が破綻します。
相続トラブルというと資産家の問題に思いがちですが、そうではなくむしろ遺産額が少ない方が多いのです。

「うちは大して財産もないし、関係ないわ」と思っていたら、あんなに仲の良かった姉妹、兄弟が分裂、挙句は自殺にまで発展したということもあります。

問題の根源は、自分が死んだ後の財産や身分関係について予め意思表示をしておかなかったことにあります。

遺言書(いごんしょ)

「ゆいごん」と口にしますが、正しくは「いごん」です。

では遺言と遺書はどう違うのでしょう?一般的に同じようにとらえられていますが、全く別物です。

遺書は残される家族・友人・知人などに宛てた個人的なメッセージの意味合いが強く、最近ではミュージシャンの夫婦で自殺した夫が妻に宛てた遺書が話題になりました。

このように遺書は死ぬ直前に書かれることが多いものですが、法的な扱いを遵守する遺言は違います。

つまり、「遺言」は、自分の財産の処分などに関する意思表示なので、判断能力があるうちにしか書くことが出来ないし、法的に認められていません。
死ぬ直前に書こうと思っていても、いざとなったら判断能力ができず書けない場合が少なくありません。実際、認知症を発症すると「通帳どこにあるの?」と聞いても、通帳の代わりにメモ帳を出してきたり、銀行に預かってもらっているなどトンチンカンな反応になります。

【遺言の2 つの意味】

①「死に際に言葉を残すこと。先人が生前に言ったこと。」

②「人が死亡後に法律上の効力を生じさせる目的で、遺贈、相続分の指定、相続人の廃除、認知などに着き、民法上、一定の方式に従ってする単独の意思表示」

相続

遺言とは、故人が死後に自らの財産に関する相続を記した書面の事です。
遺産相続に関しては、遺書が無い場合には法律で相続方法が規定されていますが、「遺言による相続は法定相続に優先する」のが原則です。

被相続人(亡くなった方)に配偶者があり、生きている場合は、事実上、永く別居し、結婚生活は破綻していたといても、常に配偶者は相続人になります。
この場合、内縁の妻には相続権がないので注意が必要です。

(2) 第1 順位の相続人

被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。子どもが先に他界していても、孫がいれば孫が相続人になります。子も孫も先に他界していれば、ひ孫がいればひ孫が相続人になります。これを代襲相続と言います。
胎児も生きて産まれてきたら子どもになるので相続人して扱われます。また養子も実子と同ように相続権がありますし、婚外子で、あっても子に変わりありませんので相続権はあります。

(3) 第2 順位の相続人

被相続人に子どもも孫もいない場合、父母が生きていれば父母が相続人になります。父母が先に他界していても祖父・祖母が生きていれば祖父・祖母が相続人になります。

(4) 第3 順位の相続人

被相続人に子どもも孫も両親も祖父も祖母もいない場合、兄弟が相続人になります。被相続人に配偶者がいる場合は必ず相続人になりますので、その場合、配偶者と兄弟が相続人になります。兄弟が先に死んでいた場合、甥姪までは相続人になります。

(5) 相続人がいない場合

相続人がいない場合、特別縁故者(内縁の妻や療養・看護に努めた人)から申立てがあれば、一定の財産が分与され、残りは国の財産になってしまいます。

 

遺言によって財産が相続人などに移転することを遺贈といいます。

 

相続人になれない人

相続人のポジションにある人でも、なれない人がいます。

相続開始以前に亡くなっている人

欠落自由に該当する人
被相続人を虐待するなど非行があった場合、被相続人が家庭裁判所に申し立てることで相続権を失います。

相続を放棄した人。
(後述の「相続の承認と放棄」を参照してください)

遺言の効力

遺言書には種類があります。

自筆証書遺言(証人不要・検認必要)
遺言者が遺言の全文を筆記、日付、氏名を自署して、捺印します。(ワープロ、録音はダメ)

公正証書遺言(証人2名以上必要・検認不要)
遺言者が口述し公証人が筆記します。

秘密証書遺言(証人2名以上必要・検認必要)
遺言者が遺言書に署名捺印、公証人が日付等を記入します。内容を秘密にし存在だけを証明してもらう方法です。

検認とは家庭裁判所が内容を確認し、遺言書の偽造を防止するための手続きです。
但し、遺言書が有効なものだと認めるものではありません。

 

遺言に書きさえすれば、何かもその通りになるわけではありません。
この点で遺書に書くこととと遺言の書くことの違いが出ます。
法的に効力を持つのは以下の点です。

⚫️身分に関するもの
法的に婚姻関係の無い男女の子の認知、未成年者の後見人の指定。

⚫️財産の処分に関する事
残された財産の贈与、寄付、管理・運用の指定など。

⚫️相続に関する事
遺産の相続の指定、遺産分与の指定などの委託、遺産分割の禁止など。

 

遺言を残すメリット

遺言を残すメリットには以下があります。

⚫️相続人を選定出来る

遺言が無い場合は、法定相続に従って「法定相続人」に遺産が分配されますが、遺言書を書けば法定相続人以外の人物に、自らの遺産を分配する事が可能になります。例として内縁の妻(夫)、事実上の養子、子や孫の配偶者、お世話になった人々、慈善団体への寄付などです。

⚫️遺産相続争いの防止

遺言書がある場合は、法律によってそちらが優先されます。

予め遺産分与を決めておけば、後々の相続人達による争い、裁判所まで持ち込まれるトラブルを防止出来ます。

 

遺留分

遺言書の内容によって、被相続人の財産をすべて特定の人に遺贈することができますが、それによって、残された家族が家を失い困窮することもあります。
そこで民法では、「遺留分」と定め、法定相続人が最小限の遺産を受け散ることができるようにしています。

遺留分権利者と遺留分の割合は定められています。

被相続人の妻、子、被相続人の父母が遺留分権利者に該当します。

相続の承認と放棄

単純相続
被相続人の資産(すべての資産、負債)をすべて承継することをいいます。

限定相続
被相続人の資産(プラスの財産)の範囲内で、負債(マイナスの財産)を承継しないことをいいます。

放棄
放棄とは、被相続人の財産のすべてを承継しないことです。

 

遺言書の書き方(自筆証書遺言の場合)

1.遺言書のタイトル

本文、作成日付、署名など、遺言書全文を自筆による直筆で書きます。
無効にならないように遺言書は必ず直筆で書いてください。本文サイズはA4がおすすめです。

2.封筒に表題を書く

遺言書の表題は無くても無効にはなりませんが、遺言書であるとことをはっきりする意味で表題は「遺言書」と書きます。(検認が必要であることは変わりません)

3,仕上げ

遺言書の末尾に作成年月日、署名、押印は必ず必要です。作成日付は年月日を具体的にはっきりと分かるように書きます。(作成日付が最新のものが優先されます)
印鑑は実印にして、遺言書と一緒に印鑑証明も入れておくと、相続開始時に家庭裁判所で遺言書の検認手続がスムーズにいきます。

4.検認手続

遺言書を発見、受理した場合は、開封しない状態で、家庭裁判所での検認手続きを受ける必要があります。
民法で「遺言書の保管者または発見者、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない(民法1004条)」と定められているからです。

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