禅の教科書「十牛図」|マインドフルネス・禅・十牛図が分かる騎牛帰家

十牛図
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禅の教科書と言われる「十牛図」は最終的に、どこに到達しょうとしているのか、気になりますね。「十牛図」は人生200年時代のお金の付き合い方の羅針盤になります。

「十牛図」が示す、究極はひとつですが、「十牛図」6番目の絵「騎牛帰家(きぎゅうきか)」は、こんな絵です。この一枚はとても重要な絵です。何度見ても「特別な一枚」だと思わざるをえません。

思うようにならなかった牛の背にのって牧人は笛を吹いてリラックスしています。
いったい何が起こったのでしょう?その答えを出すのが「騎牛帰家(きぎゅうきか)」です。

十牛図に学ぶ「慈悲」

(興福寺)

どんな相手でも、否応無しに屈服させようとすると心から従うことはありません。
「躾と体罰」についていろんな意見があります。パワハラ問題はご承知の通りです。

「十牛図」6番目の絵「騎牛帰家(きぎゅうきか)」を見ていると、躾とは「相手になりきる愛、つまり慈悲ではないか」と思いました。

「相手になりきる慈悲」があれば、相手に危機が差し迫っている場合を除き、体罰のほとんどはエゴだと解るはずです。

牛を捕獲するために悪戦苦闘していた牧人が、ゆったりと帰路についたのは、自我=執着心を捨てて、牛の想いになったからではないでしょうか?

「執着心を捨てて」というと難しく感じますが、実は簡単。ただ牛のことだけ考えればいいのです。つまり「騎牛帰家」の絵のように牛を想って笛を吹いていたら良いのです。
牛を想って笛を吹く
・・・牛が喜びそうなメロディーを奏でるのです。
牛も顔をあげてますよね。歌っているように見えませんか?←
ここがポイントです。

唯識(ゆいしき)

「十牛図」6番目の絵「騎牛帰家(きぎゅうきか)」を説明する前に、分かりやすくするために、「唯識(ゆいしき)」をご紹介しておきます。

「唯識」は「西遊記」「孫悟空」でおなじみの唐僧・三蔵法師(実在のモデル「玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)がインドから持ち帰った教えです。

四世紀から五世紀のインド(現在のインドとは違います。エリアと思ってください)で、無著(むじやく)と世親(せしん)という兄弟によって打ちたてられたのが、仏教の根本思想とも言われる「唯識」です。

唯識思想は、インド大乗仏教の一派、瑜伽行派(ゆがぎょうは)が提唱した思想で、インドから中国に持ち帰った後、日本には飛鳥・奈良時代に伝来しました。興福寺がそうです。

猿・豚・河童で、おなじみの物語は「唯識」を取経に行く話

小説・ドラマで親しまれている「西遊記」は、唐僧・三蔵法師(実在のモデル「玄奘三蔵」(げんじょうさんぞう)が白馬・玉龍に乗って、孫悟空、猪八戒、沙悟浄を供に従え、幾多の苦難を乗り越え天竺(インドエリアの旧名)へ取経(お経を取りに行く)をめざす道中記。
マインドフルネス・禅がもっと分かりやすくなる楽しいヒントです。

このお経が「唯識思想」です。

三蔵法師一行は、道中で様々は妖怪と出会います。この妖怪こそ自己執着心だといえます。
一行はこれと戦いますが、「十牛図」の別バージョンと考えることもできます。
孫悟空、猪八戒、沙悟浄も「騎牛帰家」の牛と同じく三蔵法師と楽しく、そして三蔵法師を守って旅しています。

「唯識」では、瑜伽行(ゆがぎよう)で自己の奥深くにある心のメカニズムを観察・分析します。
瑜伽行(ゆがぎよう)とは、ヨーガ、坐禅のことで、修行のことです。

日常生活で活用されている唯識

十牛図・マインドフルネス・禅の理解が進む「唯識」は、心と体を整えるさまざまな知恵を持っています。

日々の暮らしに生かせる唯識の具体的な活用法が我々の生活に溶け込んでいます。
ヨーガ、坐禅、マインドフルネス瞑想、さらに西洋の心理学、これらは瑜伽行(ゆがぎよう)の産物です。

唯識」は、知識より実践を重んじていることもあり、日常に避け込んだようです。

唯識思想の主な言葉

十牛図には、次にご紹介する、これらの言葉が潜んでいます。
いずれも「唯識思想のポイント」となることばです。
これらの言葉を「騎牛帰家」のページでご紹介するのは、「騎牛帰家」は重要な分岐点だからです。

  • 自己究明・生死解決・他者救済
  • 一人一宇宙
  • 阿頼耶識縁起
  • 有即無・無即有
  • 色即是空・空即是色
  • 八識
  • 阿頼耶識・末那識
  • 種子
  • 中道
  • 無分別智
  • 人々唯識
  • 自灯明・法灯明
たとえば、自己究明・生死解決・他者救済は十牛図の最終目的といっても良い言葉で6枚目の「騎牛帰家」はそこに通じる道といっても過言ではありません。

「騎牛帰家」とあるように、確かに家に向かっていますが、その家の主である牧人にとってかっての家と同じかどうか甚だ疑問です。
主のあり方が変われば家の意味もかたちも、つまり心身ともにかわってしまうからです。

十牛図は問いを投げかけています。
答えを出すのはあなたです。
「十牛図」によってマインドフルネス・禅がもっと分かりやすくなります。
それらがわかるほど人生ももっともっとわかり豊かになります。

「騎牛帰家」・・・休めるほど真実が見えてくる

心を休めるほど本質が見えてきて明るくなります。暗いと見えなかったものが明るくなるともっと見える=理解できるという意味です、心を休めると執着や三毒(六大煩悩)など苦しみは消えます。消えるほど慈悲、本性が無限に広がりだします。
そのことを伝える「騎牛帰家」には、まだまだ答えが隠れています。それを見つけ出してください。

まとめ

唯識思想のポイントとなる言葉・・・自己究明・生死解決・他者救済、一人一宇宙、阿頼耶識縁起、有即無・無即有、色即是空・空即是色、八識、阿頼耶識・末那識、種子、中道、無分別智、人々唯識、空、自灯明・法灯明・・・主な言葉だけでもこれだけあります。難解そうですが、決して難解ではありません。

「十牛図」を理解するとマインドフルネス瞑想やヨガがもっと楽しくなり日常生活が心地良くなります。

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