Hygge(ヒュッゲ)|人生100年時代のマンダラ

ゲンキポリタン大学
この記事は約24分で読めます。

Hygge(ヒュッゲ)をご存知ですか?
デンマーク語の<Hygge(ヒュッゲ)>は動詞であり、名詞でもあり、適切な翻訳が難しいので、日本国内でもそのまま<Hygge(ヒュッゲ)>で通用しています。<Hygge(ヒュッゲ)>とは、大雑把にいえば「心地いいを楽しむ」というような意味です。
日本的にいうとモノに走りがちな気がしますが、そうではありません。<Hygge(ヒュッゲ)>とは、毎年集計される世界幸福度ランキング1、2位にランクされるデンマーク人の精神的支柱であり、生活の知恵そのものです。

では、世界幸福度ランキング最下位の日本にあって経産省が打ち出している社会人基礎力とどうリンクするのか、どうしたら世界一「し合わせ」な民族になれるのか考えてみたいと思います。

福井県民は日本一「し合わせ」な県民だよな。

北陸のヒトが、厳しい冬とは反対に暖かくてやさしいのは、厳しい自然環境・歴史を力を合わせて、生き抜いてきた『宇宙船地球号』の乗組員だからだ。

僕にとって生涯最高の先生は、小学校の校長先生だ。算数の先生がわけあって辞めた時、その校長先生は自ら代役を務めることにして、算数の学習計画を一年前倒ししたんだ。授業の前半は火がついたように猛烈な勢いで勉強し、宿題もたくさんやらなければいけなかった。でもその後は校長先生が第二次世界大戦で兵士だった時の話をいろいろ聞かせてくれたんだ。勉強を頑張らないと話は聞けなかったから、みんな頑張ったよ。(イーロン・マスク)

なるほど、ポジティブであることが大切。生命力が<<Hygge(ヒュッゲ)>の軸なんですね。

ヒュッゲは、至るとこにあります。望みさえあれば、どこにでも見つけられるのです。暮らしのなかにどのようにして心地よさを見つけらたいいのか、そのヒントのきっかけが世界幸福度ランキング万年最上位のデンマークと万年最下位の日本の考え方の違いに隠れています。

今回はゲンキポリタン大学のメイン講座『Hygge(ヒュッゲ)式人生100年時代のマンダラ』のご案内についてお話します。

幸福度の高い国、低い国は?

「世界幸福度レポート2020」に於ける「幸福度ランキング」は以下のようになりました。日本は韓国に次いで62位でした。2018年では54位でしたが、韓国に抜かれてさらに順位を下げた形です。
上位10か国には、相変わらず、社会福祉が手厚く、ジェンダーギャップが小さい北欧諸国がランクインしています。一方、下位10か国はアフリカの根強い貧困が残る地域や紛争地域がほとんど、という結果です。この結果からヒトの幸、不幸を分けている基準が明確です。

1位 フィンランド 7.809
2位 デンマーク 7.646
3位 スイス 7.560
4位 アイスランド 7.504
5位 ノルウェー 7.488
6位 オランダ 7.449
7位 スウェーデン 7.353
8位 ニュージーランド 7.300
9位 オーストリア 7.294
10位 ルクセンブルク 7.238
11位 カナダ 7.232
12位 オーストラリア 7.223
13位 英国 7.165
14位 イスラエル 7.129
15位 コスタリカ 7.121
16位 アイルランド 7.094
17位 ドイツ 7.076
18位 米国 6.940
19位 チェコ 6.911
20位 ベルギー 6.864
21位 アラブ首長国連邦 6.791
22位 マルタ 6.773
23位 フランス 6.664
24位 メキシコ 6.465
25位 台湾 6.455
26位 ウルグアイ 6.440
27位 サウジアラビア 6.406
28位 スペイン 6.401
29位 グアテマラ 6.399
30位 イタリア 6.387
31位 シンガポール 6.377
32位 ブラジル 6.376
33位 スロベニア 6.363
34位 エルサルバドル 6.348
35位 コソボ 6.325
36位 パナマ 6.305
37位 スロバキア 6.281
38位 ウズベキスタン 6.258
39位 チリ 6.228
40位 バーレーン 6.227
41位 リトアニア 6.215
42位 トリニダード・トバゴ 6.192
43位 ポーランド 6.186
44位 コロンビア 6.163
45位 キプロス 6.159
46位 ニカラグア 6.137
47位 ルーマニア 6.124
48位 クウェート 6.102
49位 モーリシャス 6.101
50位 カザフスタン 6.058
51位 エストニア 6.022
52位 フィリピン 6.006
53位 ハンガリー 6.000
54位 タイ 5.999
55位 アルゼンチン 5.975
56位 ホンジュラス 5.953
57位 ラトビア 5.950
58位 エクアドル 5.925
59位 ポルトガル 5.911
60位 ジャマイカ 5.890
61位 韓国 5.872
62位 日本 5.871
63位 ペルー 5.797
64位 セルビア 5.778
65位 ボリビア 5.747
66位 パキスタン 5.693
67位 パラグアイ 5.692
68位 ドミニカ共和国 5.689
69位 ボスニア・ヘルツェゴビナ 5.674
70位 モルドバ 5.608
71位 タジキスタン 5.556
72位 モンテネグロ 5.546
73位 ロシア 5.546
74位 キルギスタン 5.542
75位 ベラルーシ 5.540
76位 北キプロス・トルコ共和国 5.536
77位 ギリシャ 5.515
78位 香港 5.510
79位 クロアチア 5.505
80位 リビア 5.489
81位 モンゴル 5.456
82位 マレーシア 5.384
83位 ベトナム 5.353
84位 インドネシア 5.286
85位 コートジボワール 5.233
86位 ベナン 5.216
87位 モルディブ 5.198
88位 コンゴ共和国 5.194
89位 アゼルバイジャン 5.165
90位 北マケドニア 5.160
91位 ガーナ 5.148
92位 ネパール 5.137
93位 トルコ 5.132
94位 中国 5.124
95位 トルクメニスタン 5.119
96位 ブルガリア 5.102
97位 モロッコ 5.095
98位 カメルーン 5.085
99位 ベネズエラ 5.053
100位 アルジェリア 5.005
101位 セネガル 4.981
102位 ギニア 4.949
103位 ニジェール 4.910
104位 ラオス 4.889
105位 アルバニア 4.883
106位 カンボジア 4.848
107位 バングラデシュ 4.833
108位 ガボン 4.829
109位 南アフリカ 4.814
110位 イラク 4.785
111位 レバノン 4.772
112位 ブルキナファソ 4.769
113位 ガンビア 4.751
114位 マリ 4.729
115位 ナイジェリア 4.724
116位 アルメニア 4.677
117位 ジョージア 4.673
118位 イラン 4.672
119位 ヨルダン 4.633
120位 モザンビーク 4.624
121位 ケニア 4.583
122位 ナミビア 4.571
123位 ウクライナ 4.561
124位 リベリア 4.558
125位 パレスチナ 4.553
126位 ウガンダ 4.432
127位 チャド 4.423
128位 チュニジア 4.392
129位 モーリタニア 4.375
130位 スリランカ 4.327
131位 コンゴ民主共和国 4.311
132位 スワジランド 4.308
133位 ミャンマー 4.308
134位 コモロ 4.289
135位 トーゴ 4.187
136位 エチオピア 4.186
137位 マダガスカル 4.166
138位 エジプト 4.151
139位 シエラレオネ 3.926
140位 ブルンジ 3.775
141位 ザンビア 3.759
142位 ハイチ 3.721
143位 レソト 3.653
144位 インド 3.573
145位 マラウィ 3.538
146位 イエメン 3.527
147位 ボツワナ 3.479
148位 タンザニア 3.476
149位 中央アフリカ 3.476
150位 ルワンダ 3.312
151位 ジンバブエ 3.299
152位 南スーダン 2.817
153位 アフガニスタン 2.567

世界幸福度ランキング62位

世界幸福度ランキングでは日本は62位で先進国では最下位でしたが、幸福度を算出するために使うのは以下の6項目です。


  1. 一人当たりのGDP
  2. 社会的支援
    困った時に助けてくれる身近な存在(家族、友人)の有無の回答の平均値
  3. 平均健康寿命
  4. 人生における選択の自由度
    人生の選択について自由を感じ、満足しているかの回答の平均値
  5. 個々人の寛容度
    過去1か月の間に慈善団体に寄付したか?という質問の平均値と一人当たりのGDPを比較し推計した値
  6. 社会の腐敗の認識
    「汚職は政府全体に広がっているのか」と「汚職は企業内に広がっているのか」という2つの質問に対する回答の平均値

この6項目の値と全項目が最低の値をとる架空の国、「ディストピア(ユートピアの反対の意)」との差分を合計した値を、幸福度の指標としています。

客観的に数値化できない項目については、各国の個々人にとったアンケート(回答は0-10点で答える)の回答の平均値を使用しているということです。

  • 世界幸福度ランキングは一人当たりのGDP、社会的支援、平均健康寿命、人生における選択の自由度、個々人の寛容度、社会の腐敗度といった6つの項目を中心に算出されている
  • ランキング上位に福祉が手厚い北欧諸国が、ランキング下位に、貧困地域や紛争地域が中心となっている
  • 日本の幸福度は、G7やOECD諸国と比べても低い水準になっている
  • 一方で客観的な幸福度では日本は世界でも高い水準を誇っている
  • 日本の幸福度が低い原因としてはアンケート調査を基にした主観的な幸福度が低いことが挙げられる
  • また世界的な幸福度が底上げされているため日本の幸福度が総体的に下がってきている

この調査結果はある特定の基準によって幸福度を測るものでしたが、もちろん幸福の基準は一人一人でによって違いますし、時と場合によって幸福かどうかも変わってきます。

一方で、今回の指標の項目にもあった「人生の選択に自由があること」や「多くの人が積極的にチャリティーに参加すること」は社会にとっても個々人にとっても良い効果に繋がっています。

先進国最下位になった要因が、「社会的自由」「寛容さ(他者への寛大さ)」「人生評価/主観満足度」の低さにあります。特に「人生評価/主観満足度」が非常に低い結果となったのは、日本独特の結果といえます。

SDGs/すべての人に健康と福祉を

「SDGs(エスディージーズ)」とは、持続可能な開発目標のことで、2001年に策定されたミレニアム開発目標の後継にあたるものです。2015年9月の国連サミットの採択内容に記載され、2030年までに持続可能でより良い世界を目指すための国際目標として掲げられています。

SDGsは全部で17項目あり、3つ目に「すべての人に健康と福祉を」という項目が設けられ、ウェルビーイングについて考える要因になっています。

「みずほ総合研究所」が実施した調査では、少子高齢化が進み、今から約45年後の日本における労働力人口は、2016年のときと比べると約4割減少するという結果が報告されています。

さらに労働力率は50%ほどまで低下すると見られており、2016年と同等の数値にするには、女性の労働力を男性並みに引き上げる必要があるといわれています。

また、労働力率をアップさせるには、「病気治療と仕事の両立」「育児と仕事の両立」「働き方改革」が必要であると示されています。ここでも、ウェルビーイングの考え方が求められています。

ウェルビーイングとは、福利厚生をイメージされる方も多いと思いますが、98%が中小企業である日本では、法に抵触しない範囲で遵守していたら良いという考えとは大きく違います。ウェルビーイングが優れているから高い生産性が実現できると認識するのが妥当です。注目すべきは世界幸福度ランキングの指標の一つになっている点です。

日本でも2019年から内閣府が調査し、毎年4回のレポート(PDF)を出しています。

この資料にあるWLBとは、ワークライフバランスのことで、仕事と生活のバランスがとれた状態のこと。 仕事は生活を支えるために必要なものであり、やりがいを感じさせてくれるものでもあります。 しかし、家族や趣味などプライベートの時間も、充実した人生を送るうえで欠かすことができないものです。

またウェルビーイングについては、ギャラップ社の調査が有名で、幸福度をはかる調査軸に体験と評価があります。そのうち評価の項目は、世界幸福度ランキングの指標の1つになっています。

次に、イリノイ大学名誉教授であるエド・ディーナー博士が研究した「人生満足度尺度(Satisfaction With Life Scale)」についてご紹介します。

人生満足度尺度/Satisfaction With Life Scale:設問

ヒト呼んでドクターハピネス、幸福学研究の第一人者であるディーナー博士は、自分の幸福度を簡単に測定できる方法として「人生満足度尺度」を考案しました。

「人生満足度尺度」はたった5つの質問によって自分の幸福度を測ることが可能です。

  1. ほとんどの面でわたしの人生はわたしの理想に近い
  2. わたしの人生はとても素晴らしい状態だ
  3. わたしは自分の人生に満足している
  4. わたしはこれまで自分の人生に求める大切なものを得てきた
  5. もう一度人生をやり直せるとしてもほとんど何にも変えないだろう

上記の5つの質問に対して以下の該当する項目の点数を出していきます。

  • まったく当てはまらない…1点
  • ほとんど当てはまらない…2点
  • あまり当てはまらない…3点
  • どちらとも言えない…4点
  • 少し当てはまる…5点
  • だいたい当てはまる…6点
  • 非常によく当てはまる…7点

人生満足度尺度/Satisfaction With Life Scale:採点

『人生満足度尺度』の設問に対し回答した合計点を算出し評価を確認します。

合計点に対する評価は以下となります。

  • 31~35点…非常に満足
  • 26~30点…満足
  • 21~25点…やや満足
  • 20点…ニュートラル
  • 15~19点…少し不満
  • 10~14点…不満
  • 5~9点…非常に不満

ウェルビーイングを採点してみて、非常に点数が低い場合、どうすればいいのでしょう。ネガティブな思考の原因を探りポジティブ思考にスイッチする必要があります。交流分析

『主観的幸福度尺度』で幸福度を測定する

世界幸福度ランキングで先進国中最下位になった要因である<主観的幸福度尺度>に於ける4つの質問から7段階方式で、ご自身の幸福度を測定してみましょう。
簡単な質問なので、手軽に利用することができます。

では、以下の4つの質問に回答してみてください。

Q1.自分のことをどう見ているか?

全般的にみて、わたしは自分のことを(       )を考えている。

非常に不幸な人間 1   2   3   4   5   6  7 非常に幸福な人間

Q2.他者との比較

わたしは、自分の仲間と比べて自分を(       )と考えている。

より不幸な人間 1   2   3   4   5   6  7 より幸福な人間

Q3.自分の特徴をどう捉えているか?

全般的にみて、非常に幸福な人たちがいます。
この人たちはどんな状況の中でも、そこで最良のものを見つけて人生を楽しむ人たちです。
あなたは、どの程度そのような特徴を持っていますか?

全くない 1   2   3   4   5   6  7 とてもある

Q4.ネガティブな特徴の傾向についての質問です。

全般的にみて、非常に不幸な人たちがいます。
この人たちはうつ状態がある訳でもないのに、はたから考えるよりも全く「し合わせ」でないようです。あなたは、どの程度そのような特徴を持っていますか?

全くない 1   2   3   4   5   6  7 とてもある

いかがでしたか?
自分の幸福度を知る有効なアセスメントツールで手軽に知ることができますね。
自分のことを認識する、自己理解を深めるツールとしてぜひ参考にしてください。

メタ認知力を引き出すHyugge(ヒュッゲ)


メタ認知は,自身の思考や行動を客観的に判断して認知する能力です。つまりメタ認知はこれまでのすべてのことを、自分自身で把握し、認知できるスキルです。

自身の幸福度を正確に知ることはとても重要です。これによってストレスフルな状況においてはコーピングが柔軟であることが精神的健康につながることが示されており、ストレスに対処するコーピングの柔軟性に影響を与える認知機能の一つとして,ストレス状況の変化に応じてコーピングの有効性をモニタリングする機能が指摘されています。

コーピングとは、ひどいストレスを感じた際に起こるストレス反応への対処方法です。私たちは、ストレスにさらされると、ストレスに対して反応を起こします。しかしこの反応には望ましくないものも含まれています。コーピングは、そんな望ましくない反応を回避したり、減らしたりする工夫のことを指します。メタ認知には客観的にどう対処すればネガティブ感情を抑制できるか、コントロールできるか、可能性が期待され、主観的幸福感へのポジティブな影響も考えられ、心地よい時間へ自分を誘うことが期待できるのです。このスキルをより発展的に活用することで、失敗する可能性の高いことであっても、独自の価値観を大切にしてイーロン・マスク氏のような信じられないトライが実現できるようになるのです。

『Hygge(ヒュッゲ)式人生100年時代のマンダラ』では、理解を深め認識された方に、それを縁として大きく変身する講座『般若のゴエス』をご案内しています。→こちら

ゲンキポリタン大学|般若のゴエス『人生100年時代のマンダラ』
ゲンキポリタン大学のメイン講座「般若のゴエス/社会人基礎力と『人生100年時代のマンダラ』」では社会人基礎力を中心にマンダラを使って心地よい100年ライフ全体像をデザインする講座です。凋落する日本経済にあって、どうすれば幸せなライフステージを実現できるのか、ご提案します。

ウェルビーイング/Well-Being

Career well-being(キャリア ウェルビーイング)

キャリアというと、仕事での能力や出世などを考える人がいますが、ここでいうキャリアは、ボランティア活動や家事、育児、勉強なども含みます。仕事や私生活でのキャリア構築の幸福です。自分の1日の過ごし方に満足しているかという意味もあり、ビジネス側面から考えると、ワークライフバランスのことでしょう。→変身資産

Social well-being(ソーシャル ウェルビーイング)

社会的な幸福と訳せますが、いわゆる人間関係に対する幸福のことです。交友関係の量だけでなく、信頼でき愛情のつながりのある人間関係があるかどうかがチェックポイントでしょう。ビジネスの側面から見ると、上司や部下、同僚などとの関係性を指します。→生産性資産

Financial well-being(フィナンシャル ウェルビーイング)

3つ目は、経済的な幸福のこと。報酬を得る手段があるのか、報酬に納得しているのか、自分の資産管理ができているのか、などが該当します。→金融資産(ファイナンシャルプラン)

Physical well-being(フィジカル ウェルビーイング)

身体的な幸福のことです。身体的に健康で、毎日思ったように行動できるエネルギーがあるかどうかが基準となります。ビジネスで考えれば、身体的な健康はもちろんのこと、仕事に対するモチベーションも含まれるでしょう。→活力資産

Community well-being(コミュニティ ウェルビーイング)

自分の周りにあるコミュニティとの幸福についてです。居住地や家族、親戚、友達、学校、職場などがあるでしょう。いわゆる、地域社会での幸福です。ビジネス面で考えれば、会社、部署、取引先などが該当するでしょう。→パートナー資産

社会人基礎力と無形資産

社会人基礎力を身につけるうえで、従来の価値観をチェンジするときに立っていることも認識しましよう。お金(財産)名声など、見た目で判断できる外側の価値に重きを置かず、他者には分かりづらくての内側に潜む多様な価値観に目を向け、自身の心から望む価値に重きを置いた生き方に注意を払いましょう。

内閣府の幸福度に関する研究会によると日本は高度経済成長期以降,経済的豊かさと幸福感が比例して上昇しているとは言えない指標が示されていて,心の豊かさを表す幸福感に対する注目が集まっています。

幸福度を判断する際に重視する事項としては上位に「健康」「家族」「家計」「精神的ゆとり」などが挙がっています。つまり,経済面における基本的な生活基盤の確保だけでなく,身体面における健康を大切にする意識の高まりやさらに,心のゆとりという精神面での「心の健康」を大切に思うことが幸福感に繋がっていることが分かります。 つまり活力資産は、生産性資産、変身資産さらにパートナー資産4つの無形資産の基礎です。4つの無形資産はそれぞれ相互依存の関係にあり、社会人基礎力でいう①踏み出す力、②考え抜く力、③チームで働く力の源泉になっています。それらはワークライフバランスのあり方を通して肌で感じるでしょう。つまり無形資産、社会人基礎力、ワークライフバランスは因縁の関係にあり、ワークライフバランスが整っていることが、働きがいのある職場を生み出し生産性をアップするトリガーの役割を担うのです。

そこで必要になるのが、リカレント教育であり、リカレント教育を支えるパートナー資産になりますが、これらをそれぞれの個人に適したデザインをする力がライフプランに求められます。

また,ランキング調査の結果から、日本における幸福感を考慮する時,日本特有の文化の影響を考える必要があると見なされています。
日本文化で優勢なのは相互協調的自己観、つまり,幸福感について の研究が盛んな北米文化で優勢な自己観は相互独立的自己感であり,幸福の感じ方が日本とは異なるため,日本人固有の幸福感について研究する意義があると考えられています。

日本などの関係志向的文化では,自身だけが「し合わせ」であることはよくないというネガティブな意味も含まれ,対人関係の中で結びつきを感じることによって幸福感は得られると示されているのです。日本人の幸福感を考える際には,対人関係を考慮する必要があるとのではないかと考察されています。

たとえば女手ひとりで育てた息子あるいは娘が、自分が好きなヒトと結ばれ結婚した。子どもも誕生して自分は幸福だけど、一人暮らす母親に悪くて、ネガティブ思考の連鎖の末に、当の本人も予測できなかった罪悪感に耐えられず無意識で自分たちの家庭を壊してしまう。
このような傾向があれば、社会人基礎力を学んでも不完全になってしまいます。

関係志向的文化から生まれたネガティブ思考は思いもかけないところで動き出し、特にストレス対処スキルでトラブルの原因にもなりかねないのです。

人生100年時代のマンダラ

世界幸福度ランキングの内容の分析から、主観的幸福感,メタ認知,家族機能を測定して分析した結果,メタ認知が高い大学生や,家族機能の「適応性」「(社会心理学でいう)凝集性」を高く認知している大学生は主観的幸福感を抱きやすいことが分かりました。

さらに,主観的幸福感には,メタ認知の「モニタリング」と家族機能の「凝集性」が規定因となることが示唆されました。一方で,家族機能の円環モデルの「バランス」群の主観的幸福感が高いという結果にはならなかった点で先行研究との相違がみられました。
生きがいにおいて,現在の状況だけでなく,過去の意味づけや未来の展望が大切(時間的側面)であると挙げています。そして現在抱いている幸福感は状況的側面のポジティブ・ネガティブ感情に 該当すると示されていて、ポジティブな状況ではポジティブ感情を感じることにより生きがいを感じることができ,ネガティブな状況では生きがいを考えることによってネガティブな状況を受容していくことが生きがいにつながると示唆されています。

主観的幸福感 (Subject well-being)は,感情状態を含み,家族・仕事などの特定の領域に対する満足や人生全般に対する満足を含む広範な概念であり,ある程度、時間的安定性と状況に対する 一貫性を持つと考えられています。
主観的幸福感の構造として,認知的側面と感情的側面の二つの領域があることは多くの研究者の一致した見解です。認知的側面は自己の生活に対する満足度を指し,感情的側面は楽しい,悲しいといったポジティブ感情とネガティブ感情の両側面を指しています。 主観的幸福感の尺度作成にあたっては,WHOは憲章の前文で健康(health)の定義を身体的及び心的側面から提示していて,この定義をふまえ,WHOが心の健康自己評価質問紙SUBI(Subjective Well-Being Inventory) を開発しました。
SUBIは精神医療の分野で,臨床診断を目的とした個人の健康度(疲労度)を測る目的で開発されたため,「心の疲労度」に含まれる項目内容はストレス反応(動悸やめまい,不眠,緊張など)であり,また,尺度には心理的健康という「結果」だけでなく,それをもたらすソーシャルサポートも含んでいます。

ストレスを感じるもとになる環境や外部からの刺激のことを「ストレッサー」
といいます。たとえば「人混みを歩いているとき、歩きにくさからストレスを感じた」とすると、「人混み」がストレッサーとなります。

ストレッサーとなる事象にはさまざまな種類があり、下図のように分類されます。人によっては思わぬものがストレスになる場合もあるので、自分が何にストレスを感じるのか正確に自覚することが重要であり、ソーシャルサポートも同様です。主観的幸福感という観点からまだまだサポートが行き届いていないと言えそうです。ネガティブをポジティブに変えるきっかけづくるによる心地よさの研究では、思い込みに囚われない活動にチェンジの余地がたくさん残っています。

物理的・科学的・肉体的なもの 労働環境、労働時間、VDT作業:ディスプレイ・キーボード等の機器を使用したデータ入力、検索、編集等の作業の総称、病気、栄養の偏り、喫煙、飲酒、睡眠不足、寒さ、暑さ、騒音、人ごみ、薬物、毒、甘さ、辛さ、重さ、運動
心理的なもの 怒り、悲しみ、不安、恐れ、歓び、焦り
社会的・人間関係的なもの 人間関係トラブル、評価、時間、解雇、降格、昇格、転職、退職、ノルマ、目標、恋愛、離婚
変化 寒いから暑い、安心から不安、安定から解雇

ライフステージを変遷するプロセスで、生きる力、専門スキルを次々と身につけなければなりません。これらは自分の人生を楽しむためのものです。自分の人生とはなんでしょう?

客観的な環境面 (教育・勤労・収入など)の評価つまり誰でも分かりやすい外側の評価から幸福度を算定することは困難であり、主観的な過程である幸福感を主観的な心理的評価を避けて評価することは不可能なのです。個人の人生は自分だけのものであり、100年生きても、自分以外の誰かのフリをしたり、別のイメージを演出する時間なんてどこにもないのです。世界幸福度ランキングが低いのは、突き詰めたら自分はいずれ地上から消えることから目を背け、面白くもない他者の価値観で暮らし、実際にはいないのにいるフリをしているからです。ヒトはもともといないのだから、残るのは「したこと」だけです。それさえ嘘だったらしたことさえ無になります。
快適さを見出せないことを全部シャットアウトして大切なヒトたちとの記憶に残る心地よい時間、エンドレスにワンダフルな記憶を作るだけが人生なのです。キャンドルに火を灯して、今日の最後にもう一度、イーロン・マスク氏の言葉に耳を傾けましょう。

僕にとって生涯最高の先生は、小学校の校長先生だ。算数の先生がわけあって辞めた時、その校長先生は自ら代役を務めることにして、算数の学習計画を一年前倒ししたんだ。授業の前半は火がついたように猛烈な勢いで勉強し、宿題もたくさんやらなければいけなかった。でもその後は校長先生が第二次世界大戦で兵士だった時の話をいろいろ聞かせてくれたんだ。勉強を頑張らないと話は聞けなかったから、みんな頑張ったよ。(イーロン・マスク)

ゲンキポリタン大学

「ゲンキポリタン大学」では、「社会人基礎力」をコアにライフシフトをバックアップするさまざまな講座を、さまざまな方を対象に、さまざまな形態で開催しています。ご都合に合わせた形態をお選びください。

「社会人基礎力」(全6回)

GTD®勉強会

コラム

関連サイト

ゲンキポリタン大学は(社)いきいきゴエス協会の運営です。

コメント