「普通傷害保険」と「家族傷害保険」の違い

保険
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普通傷害保険

普通傷害保険は、保険証券の本人欄に記載している方1名のみが単独で加入する傷害保険です。

つまり被保険者(保険の対象者)は加入者1名です。

基本的に病気は補償の対象外です。
補償内容は、国内外を問わず、家庭内や、仕事中、通勤中、旅行中など日常生活のなかで、「急激・偶然・外来」の事故によって起こるケガ(傷害)に限定されます。。

「急激」とは 突発的に発生する意味で、ケガの原因としての事故がゆるやかに発生するのではなく、原因となった事故から結果としてのケガまでの過程が直接的で時間的間隔のないことを意味します。
「偶然」とは 「原因の発生が偶然である」「結果の発生が偶然である」「原因・結果とも偶然である」のいずれかに該当する予知されない出来事をいいます。
「外来」とは ケガの原因が被保険者の身体の外からの作用によることをいいます。

靴ずれ、車酔い、熱中症、しもやけ、細菌性食中毒等は、「急激かつ偶然な外来の事故」に該当しません。

入院や通院、死亡、後遺障害を負った場合に保険金が支払われますが、次のことは対象外になります。

  • わざとケガをした(故意・自殺行為によるケガ)
  • ケンカをしてケガをした(犯罪行為・闘争行為によるケガ)
  • お酒を飲んだ後、自動車を運転してケガをした(無資格運転・酒気を帯びた状態での運転中の事故によるケガ)
  • 自動車競技中にケガをした(自動車、原動機付自転車などによる競技・競争(練習を含みます。)によるケガ)
  • 脳卒中で意識を失い、転倒したときにケガをした(脳疾患・疾病・心神喪失に起因するケガ*、医学的他覚所見のないむちうち症・腰痛等)
  • 地震による揺れで転倒し、ケガをした(地震・噴火またはこれらによる津波によるケガ)
  • 旅先で暴動に巻き込まれてケガをした(戦争・暴動によるケガ(テロ行為によるものは除きます。))
  • ハンググライダー搭乗中にケガをした(ピッケル等を使用する山岳登はん、ハンググライダー搭乗等の危険なスポーツ中のケガ)など

2018年10月1日以降保険始期の傷害総合保険個人契約の場合、脳疾患、疾病または心神喪失免責に関する一部修正特約がセットされた保険があります。

家族傷害保険

家族傷害保険は、普通傷害保険と補償内容は同じですが、補償される人の範囲が異なります。

具体的には、「本人」だけでなく「本人の配偶者」、本人または配偶者と生計を共にする「同居の親族と別居の未婚の子」「新生児」までが補償の対象となります。

家族で揃って加入する傷害保険になります。

家族・親族とは

「親族」とは、一般的に本人(被保険者本人)の6親等以内の血族および3親等以内の姻族をいいます。姻族とは婚姻によって縁がつながった関係、つまり血のつながりのない義理の関係です。

生計を共にする」とは、例えば下宿中の大学生の子どものように生活の援助をしている場合は家族傷害保険の補償の対象になりますが、1人暮らしで仕事をする独身の子どもの場合は、補償の対象になりません。

家族傷害保険の特長

家族傷害保険は家族全体をカバーすることができますが、全般的に、一人あたりの補償額は低めに設定されており、配偶者や親族の分の補償額は、本人よりも少ない額に設定されてます。

例えば、本人の死亡補償金額が500万円の場合、配偶者は300万円、親族は150万円というように本人と同額ではありません。

どちらの保険も、年齢や性別によって保険料が異なることはありませんが、被保険者の職業によって保険料は異なります。

「普通傷害保険」は最も基本的な傷害保険で、急激・偶然・外来の事故によってケガをした場合や死亡した場合などに保険金が支払われます。

急激・偶然・外来の事故であれば、外出中だけでなく、家庭内や職場内で発生した事故も含まれます。

交通事故傷害保険

エレベーター、エスカレーターなど日常に潜む事故にも対応している保険に交通事故傷害保険があります。

「交通事故傷害保険」で、自動車・バス・電車・航空機・船舶などに搭乗中の事故や、歩行中の交通事故によってケガをした場合などに保険金が支払われる保険で、「普通傷害保険」よりも補償の範囲が狭くなっています。

そのため、普通傷害保険と交通事故傷害保険の保険料を比較すると、補償の範囲が狭い「交通事故傷害保険」のほうが安くなります。

普通傷害保険と交通事故傷害保険のどちらを選べばいいのかと疑問が生じますね。

十分な補償を求めるのであれば「普通傷害保険」が有効です。

しかし、成人で、自宅や職場内でケガをしても比較的軽傷ですむ確率が高いことを考えると、保険料の安い「交通事故傷害保険」でいいと考えることもできます。

「交通事故傷害保険」に於ける交通事故傷害の補償範囲は広く、エスカレーター利用中に転倒したケースや、自動車のドアに指をはさんでケガをしたケースなども含まれます。

医療保険や他の保険を補完する目的で加入する場合には、保険料の安い「交通事故傷害保険」を選ぶという選択肢も有効です。

傷害保険は損害賠償にも活用できる

普通傷害保険や家族傷害保険では、「個人賠償責任保険」が自動的にセットされているものや、特約として加入できるものがあります。

個人賠償責任保険は、他人の物を壊したり、他人にケガをさせたりしたことにより賠償責任を負ったときに補償されます。

近年では、自転車の事故により9,000万円を超える損害賠償請求が発生しており、日常に潜むリスクに備えることができます。

ただし、個人賠償責任保険はクレジットカードや自動車保険などの特約として付帯されている場合もありますので確認してみましょう。

既契約のなかで加入をしていない場合は、個人賠償責任保険のある家族傷害保険に加入することで、家族全員のケガと損害賠償へのリスクに備えることができます。

大人より子どもの方がケガをしやすい傾向があります。

お子さんがいる家庭では、他の家族の補償も含めて家族傷害保険を検討することをおすすめします。

特にお子さんがいる家庭の場合は、普通傷害保険よりも保険料は高くなりますが、家族傷害保険に加入することで、「安心」への備えはより充実したものになります。

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