3つの視点が加わった人生100年時代の「社会人基礎力(=3つの能力/12の能力要素)」がなぜ必要なのか。
その最大の課題は、自由で豊かなライフステージを過ごすために、自由で豊かなライフシフトを実践するためです。もし自由で豊かなライフシフトが実践できない場合、どうなるか、つらいライフシフトを繋いでいくしかできないからです。
そのシンプルな方程式がこれです。
ここでは妨害の役割をするストレスを軽減する「生産性を向上するゴエス(システム思考のゴエス)」について、説明します。
妨害要因の影響は、想像以上に強烈で大きなものです。ヒトが行動を決めるのではなく、「行動は構造が創り出す」と考えてみまることにします。
行動は構造が創り出す
『人生100年時代の社会人基礎力』では、①踏み出す力②考え抜く力③チームで働く力を身につけて磨くことが奨励されています。しかし解っていてもできなければストレスを溜め込んで自己否定感を強めてしまいます。これでは本末転倒です。スマホはコンピュータを誰でもが使いこなせるようにしました。『人生100年時代の社会人基礎力』も同じように誰でもが身につけられる運命を背負っているはずです。
個人の生産性を妨害する要因には、
- 情報のオーバーフロー
次々に起こる仕事や情報に、処理スピードが追いつかず、オーバーフローしてしまう - 初期動作の遅れ
何かを行う際に、実行段階になって初めて「何をどうするのか」を考えるため、実際に動き出すのに時間がかかる - 集中できない
気になることがあると、無意識にそのことを考えてしまい、ほかの仕事をしていても、目の前のことに集中できない
・・・・などが挙げられますが、システム思考は、この問題を次の流れで解決します。
- 頭の外に置く
気になることや、やらなければならないことを頭の中に留めておかずに、頭の外に置く - 始めと終わりを考える
実行段階ではなく発生段階で、その仕事の最初の具体的な作業とゴールイメージを考える - しくみを整える
メール、To-Doリスト、メモやノートが個別にあるのではなく、新たな仕事を一時的に保管する場所、To-Doリストへのつなげ方など、一連の流れを整える
この流れをさらに具体的にした5つのステップの繰り返しによって、迷うことなくやるべきことを選択し、シンプルに1つのことに100%集中することで、①踏み出す力②考え抜く力を育むことができます。
般若のゴエス5つのステップ
般若のゴエスは、①整理②整頓③清掃④清潔⑤習慣になっています。
これをGTDの流れでは違う表現をしているので、併せてご紹介しましょう。
GTDとは「Getting Things Done(物事を成し遂げる)」という意味のタスク管理手法のことで、アメリカの経営コンサルタントデビッド・アレン氏(David Allen)によって提唱された仕事の効率を上げるタスク管理のやり方を示したものです。デビッド・アレンの著書は世界30カ国以上で翻訳されており、GTDは世界的に有名な仕事術です。
- 把握する
- 見極める
- 整理する
- 更新する
- 選択する
1.整理(把握する)
すべてを1箇所(inbox)に集めて整理します。
GTDでは、全てを集めて把握することをいいますが、般若のゴエスの「整理」と同じです。
整理は予め用意したinbox(ストレージボックス)に「入れる」「集める」逆に頭の中にある、気になっているタスクやToDoを洗い出し、頭の中に留めず全て書き出します。
あるいはまたは外部から入っていた公的・私的/アナログ・デジタル問わずメール、ノート、メモ、ToDoリストやメモアプリ、カレンダーやスケジュール帳、ITツール、郵便物など全部を一時的に決めた部屋の一箇所のinbox(ストレージボックス)に集めて保管します。
このinboxからToDoリストに繋げるなど、一連のしくみを整えます。
こうすることで頭の中を空にして記憶・記録するストレスをオールクリアして、探し物に一切時間を割かないようにします。
まずは頭の中で「やること」「やらない」と感じていることを、収集・把握するところから整理しておきます。
2.整頓する(見極める)
次のアクション(具体的な行動)をいつ起こすのかを決めます。
実行段階ではなく、タスクやToDoの発生段階で、その業務の着手とゴールのイメージを付ける。
一箇所(inbox)に集めた情報の中から必要なものを取り出せるように整頓しておきます。
整頓(見極める)ポイント
収集できたら、片っ端から書き出し、すぐに出せるように整頓して見極めます。
プライベートなこと/ビジネス上のこと、大きなタスク/小さなタスク、完了したこと/作業中のこと/未着手のこと、どれもすべて書き出せるだけ書き出してください。
この整頓のプロセスで欠かせないのが、トリガーリスト。
トリガーリストとは、頭に混在する気になることを想起させる質問集のことです。
GTDのテクニックとして挙げられるのが、達成すべき目標・価値観などからタスクに落とし込むトップダウン型手法と、周辺を物理的に整理整頓しながら拾い上げるボトムアップ型手法とがあり、両者の視点からリストを作ることで、網羅的にタスクをファイリングすることができるのです。
トリガーリストには様々な質問パターンがありますが、例えば下記のように一連の流れでタスクを思い出すことができる質問集になっています。
・現在抱えているプロジェクトにはどんなものがありますか?
・現在の仕事の目標は何ですか?
・将来行うべきプロジェクトにはどのようなものがありますか?
・机の上に何がありますか?
・机の引き出しの中には何が入っていますか?
続いて、書き出したタスクを「見極める」ステップです。
後回しにできるタスクは保留とし、別リストにまとめておきます。
2分以内に処理できるタスクは、その場で処理しリストから削除してしまいましょう。
4.清潔(更新する)
分類したタスクを、最新の状態に常に見直し更新することが必要です。
冷蔵庫のなかを整理整頓したら、安心してしまうように、ゴエス(整理術)に慣れていない間は、一箇所(inbox)に集めたら、安心して放置してしまいます。そこにどんどん新しい情報が入り込み、1箇所では足らないということも発生します。目的はストレスフリーにして、精進することですから、僧侶が毎日寺院を清潔に手入れするように、毎朝のメンテナンスが大切です。
自分に向き合い、仕事になりきって今日はこれだけを片付けてしまうことが本分です。
5.習慣(選択する)
優先順位を実施するのを習慣にする
ここまで終わったら、使える時間や優先順位や納期などを踏まえて、優先順位に則って、タスクを実践することを、習慣にします(GTDでは「選択する」と表現しています)。
朝の忙しい時間、電車に飛び乗るようにして一日がスタートすることも多い日常。ほんの少しだけ時間の余裕をもって、仕事前に自分の仕事場の整理整頓から始めるのも素敵なことです。
inbox(ストレージボックス)、ストレージバッグは、ヒトによっては、単なるひとつの箱、袋ですが、ある者にとっては、魔法の整理術を超えた「床を磨き、心を磨くように、人生を磨く道具」なのです。
ゲンキポリタン大学
「ゲンキポリタン大学」では、「社会人基礎力」をコアにライフシフトをバックアップするさまざまな講座を、さまざまな方を対象に、さまざまな形態で開催しています。ご都合に合わせた形態をお選びください。
「社会人基礎力」(全6回)
- 人生100年時代社会人基礎力3つの能力
- 社会人基礎力①|3つの能力と12の能力要素
- 社会人基礎力②|「前に踏み出す力」を育てる3つの能力要素
- 社会人基礎力③|「考え抜く力」を育てる3つの能力要素
- 社会人基礎力④|「チームで働く力」を育む6つの能力要素
- 社会人基礎力に追加された3つの視点
GTD®勉強会
コラム
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- 自我と交流分析
- 自他肯定をライフスタイルにする『お粥さんプロジェクト』
- 人生の方程式から外れない<イマジン>3つの自我の使い方
- メンタルモデルを変える5つの心とエゴグラム
- 般若のゴエス|自分を忘れるアサーティブ・コミュニケーション
- 般若のゴエス|アサーション・コミュニケーション|率直について
- ロジカルシンキング
- ラテラルシンキング
- システム思考
関連サイト
ゲンキポリタン大学は(社)いきいきゴエス協会の運営です。
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