人生200年。36,500日の人生です。
1999年生まれの人が100歳まで生きる確率は男女ともに100%と言われています。
10歳までの生育期と、90歳からの老年期を外したとして、80年あります。
ひとつのことをマスターするのに5年かけたとして、16回もチャンスがあります。
16回の「育てなおし」ができるのです。
長寿は高齢化だけではないのです。長寿は青春が長くなる意味です。
ワンダフルにライフシフトしたヒーローたちに「在り方」を学びます。
いま、なぜ、「十牛図」
人生200年時代をよりよく生きる本質を問う「十牛図」の意味。
いま、なぜ、人生200年時代に「十牛図」は、どんな意味があるのでしょう。
人生200年時代に求められる資質は、活性資産、生産性資産、変身資産、さらにパートナー資産です。
- 活性資産である健康を守るには、規律正しい暮らし。
- 生産性資産にはコミュニケーション能力。
- 変身資産には柔軟さ、人間観。
- パートナー資産では、より良い伴侶と出会い、人生を共にできる力が必要です。
「十牛図」には、これら無形資産の土台となる「人間力」が詰まっています。
人生200年時代を生きる知恵の宝庫であることに「十牛図」の意味があります。
89年の生涯で30回以上の変身を遂げた葛飾北斎
ライフステージが変わることを余儀なくされる人生200年時代には、ライフシフトが必要です。
ライフシフト(変身)をポジティブに繰り返して、歴史に名を残した大先輩がいます。
「富嶽三十六景」で有名な葛飾北斎(1760年10月31日〜1849年5月10日)。
北斎は89年の生涯で30回以上の変身を遂げています。
90回の転居、弟子は200人。
「富嶽三十六景」を葛飾北斎の名で世に出したのは75歳でした、
最後の言葉は「我をして五年の命を保たしめば真正の画工となるを得べし」とも言われています。
世界中に拡散された「富嶽三十六景」に「十牛図」に託した意味を感じます。
「十牛図」の究極のテーマは無償の愛です。
他者がいて自分がある。他者がいなければ自分はない。
一人一宇宙。誰も自分の宇宙から出られない。誰も入ってこられない。
繋いでいるのは「縁起」。
「縁起ゆえに無我」つまり「自分は多くの縁によって生じたものだから、自分は存在しない。」
北斎、絵になりきることの意味
葛飾北斎は絵を坐禅をするように、絵になりきり、絵を描くことに集中しました。
その絵は、北斎自身が想像もしなかった共感を呼んでいます。
世界の人々の潜在意識に「なりきる意味」を送り込んでいます。
波になりきる、虎になりきる、、蛸になりきる、海女になりきる、旅人になりきる・・・・・なりきることで北斎は真の自己を90歳まで生き抜きました。
そのエネルギーが世界中の人々にインパクトのある共感を呼び寄せたようです。
絵にコメントがあるわけではなく、無言ですが絵が語ります。
絵を見る人は、そこから生の言葉と意味を感じ取るのではないでしょうか?
人生200年時代のライフシフターが学ぶに価する恐るべき真正の意欲です。
ひと魂で ゆく気散じゃ 夏の原
その意味は
「人魂になって夏の原っぱにでも気晴らしに出かけようか」というものでした。
享年90歳(89歳)でした。
死んでも生きようとする、この熱意は、どこから来たのでしょう?
決して難しいことではなく、
「いま、ここ、この瞬間」のシンプルな連続性ではないかと察するのです。
作品になりきって、なりきって、絵筆を走らせた結果でしかないと思います。
「十牛図」と「マインドフルネス」
「十牛図」は「仏教の根本思想である「唯識」と深く結びついています。
さらにマインドフルネス瞑想の基礎的な思想にもなっています。
マインドフルネスは瞑想部分が知られていますが、EQ(エモーショナルインテリジェンス)を中心とした能力開発プログラムとして効果をあげています。
EQ(エモーショナルインテリジェンス)は、心と感情の知能指数として知られていますが、感情のコントロールが苦手な人は増える傾向のあります。
マインドトーク(雑念)は人工知能の活用増加に比例する
人工知能の活用が増えるのに比例して、マインドトーク(雑念)が増える傾向があるからです。
脳内でひとりごとが増えるのです。
自分が自分と話ししている時間が増えると感情の暴走が脳内で起こって、それがいつしか言動として露出します。
十牛図は、深層心理(末那識、阿頼耶識)に入り込むことで、トリック(執着)を解明する効果があります。
マインドフルネスとセットで使うと効果もより期待できます。
アンガーマネジメントする力を育むマインドフルネス
身近な行動心理で気になるのが、アンガーマネジメント力の低下です。
DV、児童虐待、自動車走行中のトラブルなど罰則を強化しても減りません。
なぜでしょう?
その背景には「してもいい」という許可を自分に与える心理があります。
なにが彼らをそうさせるのでしょう。
より快楽を求めて、より強い刺激を求める日常がそうさせているのです。
マインドフルネスはそうした傾向に警鐘を鳴らして、スキルアップを可能にしています。
マインドフルネスでのスキルアップ
- 自己発見
- 思いやりの心
- アンガーマネジメント(怒りのコントロール)
- 共感できる能力
- 社会性
これらはWHOが定めた「ライフスキル」が反映されています。
ライフスキルの低下、欠如は、200年時代を生きるひとをハッピーなものにしません。
冷蔵庫や洗濯機・・・どんなモノより必要なことです。
「し合わせ」に生きるヒントをたった10枚の絵で語り尽した「十牛図」
「十牛図」は。どのようにすれば、マインドフルな暮らしができるのか、そのプロセスをたった10枚の絵で語り尽しています。
「十牛図」10枚の絵のメッセージを解くのはあなた自身です。
ここでは、一応の答えを出していますが、ヒントでしかありません。
なぜなら「十牛図」も「マインドフルネス」も、実践されてこそ理解できるものです。
まとめ
伊藤若冲も、自然の中に神仏が宿っているとメッセージした絵師でした。
禅を学んだ若冲の絵には、自己主張も対立もなく、共生が輝きます。
十牛図、マインドフルネスに通じる概念が美しい絵画です。
30回以上の改名。40回の転居はライフシフトに必然だった葛飾北斎、
絵を描くことを禅にした伊藤若冲、
禅の教科書「十牛図」を制作した瑜伽行唯識学派(ゆがぎょうゆいしきがくは)」
人生200年時代を生きる人が参考にすると楽しいヒーローたちです。
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