もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことを私は本当にやりたいだろうか?
これはiPodやMac OS Xで有名な企業アップルの創設者であるスティーブ・ジョブズ氏がスタンフォード大学の卒業祝賀スピーチで述べた有名な言葉です。ジョブズ氏にとっては毎日が終活だったのです。なのでジョブズ氏の家にはベットしかなかったといいます。
「毎日が周活」「毎日が週活」であり、本当にやりたいことをルーティンワークにして、没頭できるように、煩わしいことは整理整頓しておくのが暮らしのスタンダードだったわけです。ジョブズ氏が曹洞宗の禅僧と待ち合わせするときも、ジョブズ氏は水だけ、禅僧はパフェを注文していたというエピソードが残っています。
それにはモノが発信する波動を最大限少なくして、自分がやりたいことに打ち込むエネルギーを波動を最大化するようにします。
いちばんは睡眠
もともとのいのちを生きる自分とは、いま、ここ、この瞬間をやりたいことに打ち込むエネルギーの波動です。瞑想で感じる呼吸と一体になった自分=波動です。
整理収納の鉄則は腹六分目、つまり余白が40%。40%が自分だと認識してください。
この40%を限りなく100%に近づけるのが、睡眠&呼吸の仕事です。
60%のゴミ、40%の自分を整理し、40%の自分を整頓して引き出し、積極的に使うほど、100%に近づけることができます。つまり一日にいっぱい溜め込まない。
40%の自分はエンドレスにワンダフルな人生を引き寄せる原動力、周囲の人々にも影響力を発揮します。自利利他の精神が自分を豊かに自由にします。
これまで述べてきた時間と関係/いのちとの関係/ヒトとの関係/モノとの関係/食事・食べ物との関係は全部身体との関係に繋がっているので調えることが必然です。
睡眠時間と日中の仕事の効率は比例している。
睡眠時聞を削って仕事を頑張るということは、個人差、一時的にあるにしろ、最低でも6 時聞から7 時間の睡眠を取ったほうが脳の回転も速く、気力も充実してやる気が出てきます。
一方で睡眠時聞を削ってまで仕事をする場合、その場限りのやっつけ仕事なら効果もありますが、オールタイムで頑張る場合、処理能力や創造性は明らかに落ちてしまいます。
何より、脳と身体の疲労が蓄積することで気力が低下します。
睡眠時間と日中の仕事の効率は断然、比例しています。
適度な睡眠時聞を確保でして仕事をしている人の効率は上がり、睡眠不足に陥っている人の効率は落ちることは科学的に証明されています。
つまりなぜ眠るのか、その理由は長い 200年婚を「し合わせ」に過ごすためです。
良い睡眠へ7つの改善
人生は逆算です。
エンドレスにワンダフルな200年ライフを過ごすには「ライフプラン」が必須です。
ライフプランを遂行できる心技体のあり方が重要です。
ライフプランを遂行できる心技体を整えることができるのが睡眠です。
良い睡眠のための環境を整えましょう。
主に以上、7つの改善が重要な影響を及ぼします。
睡眠負債
睡眠負債は、病気の根本になるストレスの巨大モールです。
ストレスそのものは危機を回避するために人体が備え持った類い稀な機能ですが、睡眠負債があると機能不全に陥るということです。
睡眠の大事な仕事は、身体を休む疲労を回復させるだけではありません。
睡眠によって脳の記憶を整理整頓し、体内の情報ネットワークを使い、脳に伝え、脳は指示を出しています。
成長ホルモンと呼ばれるタンパク質ホルモンやコルチゾール、メラトニンなどを分泌して身体を整えています。
睡眠が不足すると、これらの作業が十分に行われなくなります。
つまり健康体で活動できるようにしたくても、メンテナンスさせてもらえなくなるので、その蓄積で身体が機能しなくなるというわけです。
その最たる事例が、アルツハイマー型認知症で、これは脳を損傷させる行為、さらに癌を発症します。
ストレス
ストレスの正体は睡眠不足、過労、人間関係、自然災害、食品添加物、大気汚染、光刺激、音刺激、有害化学物質、薬品など挙げだしたらキリがありません。決して精神的な問題ではありません。
しかし、ストレスそのものが悪いわけではありません。
そもそもストレスは危険を回避する作用であって、身体がストレス反応することで無事に生き延びることができています。
ストレスホルモン「コルチゾール」
ストレスから身体を守っているのは、ストレスホルモンと呼ばれる副腎皮質ホルモンの「コルチゾール」です。
コルチゾールは、ストレスから体を守るホルモンですが、働きはそれだけではありません。
私たちの体内では、加齢に伴い、炎症が増えてしまいます。
それを放置しておくと、さまざまな病気や老化現象が起こります。
その炎症を鎮めてくれるのが、コルチゾールです。
ところが、ストレスが多い環境にいると、コルチゾールが盛んに分泌されます。
副腎は働きっぱなしになるので、やがて疲れ果てて、コルチゾールを十分に分泌できなくなります。
副腎の疲労回復対策
副腎から分泌されるホルモンは、50種以上あると言われています。
これらのホルモンは、血糖値の維持、免疫機能の調整、血圧の調整、神経系のサポート、骨の代謝など、生命の維持に欠かせない働きをしています。
ところが、副腎が疲れると、コルチゾールをはじめホルモンの分泌が悪くなります。
疲労が慢性化すると、コルチゾール不足も慢性化して、高血圧、糖尿病、動脈硬化、メタボなどの生活習慣病や胃腸障害、不眠症にうつ、アレルギー疾患など、ありとあらゆる病気の発症リスクが高まります。
この後押しをしているのが、睡眠不足であり、睡眠負債です。
副腎が疲労すると、「最近やる気がなくて気分が落ち込む」といったうつ症状が起こります。
これに対して「男性ホルモン」や「女性ホルモン」の投与を勧める声がありますが、副腎の疲労を回復するものではないので、副腎のケアを優先すべきではないかと思います。
その最大の対策が基本中の基本である「ストレスの軽減」「睡眠」「食生活」「運動」の改善です。
そうすると自然に副腎の疲労回復が進み、コルチゾール、メラトニンや成長ホルモンの分泌が良くなります。
食に関しては、大豆、青魚を中心に和食がおすすめです。
睡眠力をアップする睡眠ホルモン「メラトニン」
脳内の松果体で生合成されて、睡眠を促進する睡眠ホルモン「メラトニン」は、朝になるにつれ、メラトニンの分泌が少なくなっていきます。
メラトニンと入れ替わるように、朝、太陽の光を浴びると、セロトニンという脳の覚醒を促すホルモン物質が分泌されます。
セロトニンによって脳から身体全体に「朝が来たぞ!」とメッセージが送られ、メラトニンの分泌が止まります。
こうして体内時計が機能して、脳も身体も次第にすっきりした状態で活動できるようになります。
日中、日光を浴びて身体を動かししていると、身体はメラトニンを分泌する用意が整い、夜になると、体内時計は体に「これから夜ですよ」という信号を出します。
それを受けて脳の松果体でセロトニンがメラトニンに変換されて分泌され、眠りの準備が始まります。
脈拍・体温・血圧などを低下させることで睡眠の準備が整うと、身体が認識して、睡眠へ誘います。
夜の到来とともに活発になって力を発揮するメラトニンは、抗酸化力の強い驚異の「アンチエイジングホルモン」です。
メラトニンは、さまざまな有害物質を取り除くことでも知られていて健康と美容に欠かすことのできない驚異のホルモンです。
メラトニンは、メラトニンはたんぱく質を構成する必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンという物質からセロトニンという神経伝達物質を経て体内で合成されて、脳の松果線から分布される物質です。
メラトニンは睡眠ホルモンと言われるように、睡眠をコントロールしています。
メラトニンの分泌は主に光によって調節されています。
朝には体温が上がりますが、なかなか上がらない人がいます。
そこで体温が上がりやすい朝型の人と、体温が上がりにくい夜型の人に分かれます。
昼間はメラトニンの分泌が抑圧されているので、体温は上がります。
夜には、メラトニンの分泌が高まって、その作用で身体の深部体温が低下して、休息に適した状態に導かれ眠気を感じるようになります。
人は体温が下がらないと良い眠りは得られません。
メラトニンには、老化を促す活性酸素の毒性を中和する作用もあるので、メラトニンが身体に与える影響は次のような構図になります。
メラトニン増える→体温下がる→眠くなる→健康・老化防止→(過剰)性ホルモン減る
メラトニン減る→体温上がる→覚醒する→病気・老化→(過剰)性ホルモン増える
このメラトニンには「性腺抑制作用」もあるので、メラトニンが増加すると性腺刺激ホルモンが抑制されて月経を止めてしまう作用などがあります。
逆にメラトニンが減少すると性ホルモンが増加し、性ホルモンの過剰分泌が心身に悪影響を与えて思春期が2~3年早く始まってしまいます。思春期は男子は10歳、女子は12歳頃と言われていますが、早く始まりすぎると心身のバランスがとれなくなります。
メラトニンの減少は女性の天敵なのです。
セロトニン
セロトニンは別名5-ヒドロキシトリプタミと言われトリプトファンから5-ヒドロキシトリプトファンを経てセロトニンになります。
睡眠から目覚めて太陽の光を浴びるとセロトニンが多く分泌されます。
太陽が沈むとセロトニンの分泌が抑えられ、メラトニンの分泌が始まるという関係にあります。
トリプトファン
セロトニンは脳内で作られますが、必須アミノ酸「トリプトファン」が変換したものです。
「トリプトファン」は、糖質、脂質、たんぱく質を代謝・分解する上で必要なビタミン(ナイアシン)の合成も行っています。
ただし、トリプトファンは体内で生成できないので、食事で摂取するしかありません。
食べ物から、摂取したトリプトファンは、日中、太陽を浴びることで、N-アセチルセロトニンとなって、脳内でセロトニンに変換され、夜になると睡眠を促すメラトニンに変わります。
そのため、トリプトファンが不足すると、不眠症や睡眠の質の低下を引き起こす原因となります。
やはり、人間の身体は食べ物でできているのです。
だから、インスタント食品やジャンクフードばかり食べていると、不眠症や睡眠の質の低下を招いてしまいます。
就寝前に浴びる照明制御で、メラトニンの分泌を抑制
Photo by Matthew T Rader on Unsplash
ところが、その人の生活環境が、時間に関係のない活動をしていると、知らず知らずにメラトニンの分泌を混乱させます。
就寝前に浴びる照明で、メラトニンの分泌を抑制してしまうこともあるので注意です。
特に影響が大きいのが、「明るさ(照度)」と「光の色(色温度)」です。
色温度とは物を燃やしたときの色の変化を示す尺度です。
⾊温度とは、太陽光や⾃然光、⼈⼯的な照明などの光源が発する光の⾊を表す単位(ケルビン/K)です。光源の温度や明るさとは関係ありません。
色温度の単位(K)が低いほど暖色系の色を発し、高いほど寒色系の色を発します。
青は、色温度の高い色。白色の代表は太陽の光、身近なところでは、蛍光灯です。
明るさはルクスで表します。
500 ルクス以上の光はメラトニンの分泌を減少させてしまうので、これから睡眠をとろうというときにはなるべく避けたいもの。
リビングルームは500 ルクス以上にしない
一般的に
- 午前10時の晴天の太陽光で65000ルクス
- デパート、スーパーで500~700ルクス
- 蛍光灯照明事務所で400~500ルクス
つまりオフィスや通勤電車、帰宅時の買い物は、メラトニンの分泌を減少させてしまいます。
リビングで読書をしたい時は、300~750ルクスの照度が必要ですが、団らんだけであれば、もっと低い150~300ルクスでよいという具合です。
そこで照明の切り替えをするのがスマートな選択です。
極端ですが、ハリウッドのスターが住むビバリーヒルズを車で走ってみると、照度や色温度の低い照明の家ばかりで、日本のように明るい家はひとつもありません。
この現象からも日本人の睡眠不足が見えるようです。
まとめ
無形資産には、4つの資産があります。
- 生産性資産
- 活力資産
- 変身資産
- パートナー資産
4つの無形資産は金融資産を生み出す源泉です。
しかも4つの資産はあるレベルまでのスキルを身につけるまでは多少お金もかかりますが、あとはほとんどお金がかからないばかりが、逆にお金を生み出します。
睡眠は食欲・性欲・睡眠欲と言われるように人間の三大欲求のひとつです。
しかし最も関心の低い扱いをされてきました。睡眠障害、睡眠負債が健康を害しています。
運動には関心が高くなりましたが、同じように無形資産を育む「攻めの睡眠」が必要です。
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