ビジネスに仏心はあるか。
誰でもブッダになれるのなら、ビジネスに於けるブッダ、つまり悟ったひととは、商道を極めた人のことです。商道とは、商業人として守るべき道。商業上の道徳のこと。
韓国のテレビドラマ「商道〜サンド」とは全く無関係です。
生活者(お客様)の暮らしに貢献する、顧客第一主義に通じます。
十牛図:見跡
牧人は、逃げた牛(本当の自分)を探して、足跡を見つけました。(見跡)
足跡を追いかけると、牛を発見できると考えて行動します。
ビジネスの現場では、足跡に値するのが事業に対する哲学です。
ブッダが真理を説いたように、商道はガイドラインです。
哲学があるかどうかでビジネスは違ったものになります。
会社は単なる人の集まりなので、良い会社になるには、全員が良い人にならないと、良い会社は作れません。良い会社とは、良い社員とは?
これに答えを出すのが経営トップです。
モチベーションを育てる3つのキーワード
内発的動機づけの要因となるのが、
①自律性です。
自律性は②有能感があって機能します。
有能感を支えるのが③関係性です。
関係性は小さな成功によって育まれます。
関係性を育むためには、自然には望めません。
肥えた土地に、種を蒔き、水と太陽が必要なように、プロセス全般に演出(結果=原因)が必要です。
結果=原因は逆算です。
つまり仕掛け(イベント)です。
仕掛けによって、関係性、有能感、自律性の三つが成立して内発的動機づけ(共感)は可能になります。
内発的動機づけ
リーダーシップのないリーダーは「内発的動機づけ」に関心がないままモチベーションをアップしようとしてインセンティブ(外的動機づけ)を用意しますが、まず成功することはありません。
自律性、有能感、関係性のどれも働かないからです。
仕掛けのダイナミックさこそリーダーの喜びですが、喜べる人と喜べない人がいるのも事実です。
ですから社員教育といいますが、幹部、重役教育無くして社員教育は効果ありません。
そこで実に単純な問題があることを指摘しておきます。 経営トップあるいは重役達、上に行けば行くほど、うまくいってると問題を認めません。
憂鬱な問題には触れたくなくて、それらは幹部の仕事として脇に追いやる。つまり隠したがるのです。
誰だって自分の責任になることは嫌いますから自然ではありますが、それでは重要なポスト(=生活者(お客様)の暮らしに貢献する)の第一人者は担えません。
八正道
ブッダは「自灯明・法灯明」を遺言のように弟子に伝え、さらに弟子を重閣講堂に集めて「自灯明・法灯明」への道を「八正道」という教えを説きました。
ブッダの説法は1to1が基本です。しかし余命いくばくもないことを察知したブッダは命懸けの説法をやり遂げています。
自灯明・法灯明
「自灯明・法灯明」は、
ただ誰かから聞いたからといって、それを信じるな。
何代も受け継がれたからといって、その伝統を信じるな。
たくさんの人の間で語られ、噂になったからといって、それを信じるな。
あなたが所属する宗教の聖典に書かれているからといって、それを信じるな。
ただ貴方の先生や先輩の権威だからといって、それを信じるな。
しかし、観察と分析を行なった上で道理に合っていて、すべての者の利益になると貴方がわかったならば、それを信じなさい。
つまり信じるに値する自分になりなさい。(自灯明) 信じるに値する真理を見極めなさい。(法灯明) 主体性を持ちなさい(孤独・孤立を恐れず慈悲・慈愛を尊びなさい) ということであり、自己肯定のために自己否定の連続を受容しなければ成し遂げることはできません。
それぞれの立場で憂鬱な問題をオープンにして改善を重ねることが大切なのです。ガイドラインをモチベーションに征くとき自己否定こそがエネルギーになります。
正聞熏習
ブッダの態度は、後の密教にも受け継がれています。 「伝えた」で終わりではなくいかに相手に理解できるように伝えるのかが重要であることを認識されていたのです。
この態度と繰り返し(正聞熏習)によって関係性が自然と育まれ、有能感が芽生え、意欲が息吹き、自律性が育まれます。 現代のあらゆる教育のあり方に耳が痛いことだと思います。
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