公共交通機関と歩行禅で行く高知遍路は謝りながら巡る。

お遍路
この記事は約10分で読めます。

修行の道場「高知県」29番札所「土佐国分寺」を早朝にお参りして、国分通りのバス停から、お遍路で知り合った方と南国コミュニティバスに乗り込みました。その方は高知駅に行きたいということで、JR「後免駅前」で下車されて、私は31番札所「竹林寺」での夜の月見会に参加することもあって、「後免町(ごめんまち)駅」からとさでんの路面電車「はりまや橋」に向かいました。

JR後免駅と合わせると「御免」のついた駅名は4つあることになります。

暮らしを芸術に。旅はアートです。

JR後免駅

JR後免駅

深夜バスで早朝に着いたJR高知駅から29番札所土佐国分寺めざして御免駅に。御免駅は高知で2番目に乗降する人が多い駅だそうです。高知駅から御免駅まで20分もかかっていないので、平日の朝早かったので、駅前広場でバスが来るのを待つ。ところが様子がヘンなので、女学生さんに「ここにバスは来ますか?」と聞いたところ、「ここでバスを見たことは一度もない」というので、2階の改札に行って確認したら、バスが駅前にバスが入ってこれないので、駅から歩いたところにスーパーがあり、バス停があるとの回答。慌ててスーパー(ナンコクスーパー)を探して後免駅前バス停 を発見。そこに運良くバスが来たので飛び乗る。

すると、ドライバーさんが、坂本龍馬が生き返ったかと思う土佐弁で、「おまさん、国分寺へ行きよらぁよ、国分寺にいかんちや」「乗車券はいいから、次に止まったところ(御免町駅)で乗り換えて植田行きのバスに乗って、国分通りで降りなさい。いいですか、植田行きのバスですよ」と親切に対応していただきました。(菩薩のような慈悲がうれしい念押しに、富山の駅前のそばやのおばさんを思い出しました)

ごめん町駅/とさでん交通サービスセンター

とさでん御免町駅

🔻ごめん町駅はサービスセンターになっています。

とでんサービスセンター

ごめん町駅とさでん交通の路面電車も乗り入れていて、都会ともローカルとも分け難い特別な雰囲気を楽しむ。バス停で時間急いでないし行く宛があるのかないのか。リラックスした高齢者が作り出す雰囲気は山陰の松江と同じだなと思う。(都会では見かけないが、日本国中、そうなのかな?)
国分寺からの帰りにもう一度ここに戻って来て、路面電車ではりまや橋に行くことにしました。とでんの路面電車は9種類あるので、全部乗ってみたい。

第29番札所 国分寺

土佐国分寺

29番札所土佐国分寺には、ごめん町駅から南国コミュニティバスで国分通りまで行き、南国市の土佐のまほろばを徒歩で満喫。7時になっていなかったので、いちばん乗りの感じがうれしい。境内では「無財の七施」か女性が枯葉を掃いておられた。納経帳に御朱印をいただき、とでんではりまや橋に向かうために南国コミュニティバスでごめん町駅に向かいます。

公共交通機関でのアクセス

①JRはJR高知駅を出発する土讃線(どさんせん)は後免駅です。(各停:大人330円)〜②後免駅下車駅前広場に出てバスに乗り換え(但しバスが乗り入れできないので)〜南国市コミュニティバス(NACOバス)の発着場所はナンコクスーパー前(御免駅前)です。③植田行きに乗車国分通り下車〜徒歩5〜10分

土讃線(どさんせん)
香川県仲多度郡多度津町の多度津駅から高知県高知市の高知駅を経て、同県高岡郡四万十町の窪川駅に至る四国旅客鉄道(JR四国)の鉄道路線

一方、バスと路面電車を運営するとさでん交通の方は御免町駅です。御免町駅はローソンと一体になっているのでお弁当を購入して待っている間にベンチで食べることもできます。
(高知市内に向かう場合、はりまや橋まで500円で、JR高知駅には乗り換えが必要です)

お遍路:高知南国市|第29番札所 摩尼山 宝蔵院 土佐国分寺
お遍路とお接待は切っても切れない関係です。四国霊場八十八ヶ所を巡るお遍路さんに、茶菓や食事などをふるまったり宿を提供したりする「お接待さん」が継承してきた四国特有の習俗は、元祖ウェルビーイングです。 「遍路は弘法大師と共にある」とする「同...

とでん、修行の道場を走る

「ごめん」と謝りながら走る路面電車

路面電車は、ごめん町駅を出発すると、高知市の中心部に入っていきます。それに伴い客席も埋まっていきます。路面電車の走る様子は、街の歴史を感じ風情があってとてもよくて鉄道王国・富山市に負けず劣らずです。菱形の「ごめん」は路面電車のシンボルです。

高知は、四国各県の県庁所在地は遍路道の中では屈指の大都会で活気があります。南国市は田舎であり街であり、人間が暮らしていくのにちょうどいいサイズです。「土佐のまほろば」と大事にする理由が歴史を紐解かなくても体感でキャッチできます。
高知以外の三県が交通インフラが上手に整備されていない気がするのは自分だけでしょうか。それを可能にしているのは「とさでん交通株式会社」が運営している「路面電車」です。経営は楽ではなさそうですが、是非、がんばっていただきたい。

地元では「土電(とでん)」とよばれている高知市の路面電車は明治37年(1904年)に開業。以来、土佐電気鉄道株式会社(とさでんきてつどう)は、かつて高知県高知市にあった路面電車と、路線バスを運営していた会社である。2014年10月1日より、高知県交通土佐電ドリームサービスとともにとさでん交通株式会社へ事業統合した。

28番札所大日寺

大日寺

28番札所法界山 高照院 大日寺は、奈良時代に聖武天皇の勅願により行基菩薩が大日如来像を彫像し開創されたと伝えられています。国の重要文化財に指定されている四国最大級の大日如来坐像と聖観音菩薩立像が安置されています。寄木造りで高さが約146cmもある像です。通常は秘仏とされ、お目にかかれる機会はほとんどありません。その御本尊がいらっしゃる「本堂」は釘を使わずに木組みだけで建てられているそうです。

宗派:真言宗智山派
本尊:大日如来
開基:行基菩薩
創建:天平年間(729〜749)
真言:おん ばざら だどばん(金剛界)

所在地:〒781-5222 高知県香南市野市町母代寺476
電 話:0887-56-0638
駐車場:普通/30台・マイクロバス/10台(無料)
宿 坊:なし
公式HP:http://dainichiji28.org/

南国インターチェンジから、国道32号線・県道45号線を南国方面へ。後免町交差点を左折し県道364号線を野市町方面へ向います。龍河洞方面へ向う表示に従い交差点を左折。バス停大日寺前を右折し山道を登ると正面にあります。

公共交通機関でのアクセス

JR土讃線土佐山田駅下車、タクシーで約10分。
土佐くろしお鉄道(ごめん-なはり線)のいち駅から、タクシーで5分(徒歩30分)。
高知龍馬空港から、タクシーで約20分。

「四国88NAVI」全体版一括ダウンロード PDF(23MB)

30番札所「善楽寺」

善楽寺

宗派:真言宗豊山派
本尊:阿弥陀如来
開基:弘法大師
創建:大同年間(806〜810)
真言:おん あみりた ていせい からうん

所在地:〒781-8131 高知県高知市一宮しなね2丁目23-11
電 話:088-846-4141
駐車場:普通20台・大型4台(無料)
お車で:29番国分寺から(所要時間約20分)
お車で:31番竹林寺から(所要時間約20分)
宿 坊:なし
公式HP:http://www.zenrakuji.sakura.ne.jp/

高知インターチェンジから、高知北環状線を高知市街方面へ向い、県道384号線へ左折。約2km走り、バス停一宮神社前を左折し、突き当たり右手にあります。

29番国分寺から

バスが通っている道(県道45号線)にでて左折、その後32号線と交わる交差点を左折、32号線を100メートルほど進んだ二つ目の信号を右折します。すると384号線にぶつかりますのでそこを左折して6~7キロ進みます。
右手にある佐川急便を越えると、青い看板に善楽寺、土佐神社と標識がありますので、そこを右折、山を上がって二又を左に進み山を下ると寺院の裏手に着きます。
バス駐車場を入った先に駐車場があります。必ず善楽寺の境内の駐車場に止めてください。

31番竹林寺から

県道376号線を左折して一宮方面へ向かいます。約4キロ程進むと高速にあがる道がありますが、下に向かう一宮方面の道を進んでください。そうすると384号線にでる交差点がありますのでそこを右折してください。ここからは高速道路利用してください。

公共交通機関でのアクセス

 

JRで:JR土讃線土佐一宮駅下車徒歩20分。駅前の道をまっすぐ進んでください。
バスで:とさでん交通一宮神社前下車、徒歩3分

31番札所「竹林寺」

31番札所竹林寺

宗派:真言宗智山派
本尊:文殊菩薩
開基:行基菩薩
創建:神亀元年(724)
真言:おん あらはしゃ なう

所在地:〒781-8125 高知県高知市五台山3577
電 話:088-882-3085

駐車場:普通100台・マイクロバス10台・大型5台(無料)

高知インターチェンジから、高知北環状線を高知市街方面へ向い、国道32号線に左折、高須新町4丁目交差点で右折した後、五台山方面へ。標識に従って山道を登ると、左手にあります。

公共交通機関でのアクセス

MY遊バス一日券

MY遊バス:JR高知駅〜竹林寺前

MY遊バス路線図

32番札所「禅師峰寺」

禅師峰寺

本 尊:十一面観世音菩薩
開 基:行基菩薩
創 建:大同2年(807)
真 言:おん まか きゃろにきゃ そわか

所在地:〒783-0085 高知県南国市十市3084
電 話:(088)865-8430
宿 坊:なし
駐車場:無料(普通車30台・マイクロバス10台・大型5台)
公式HP:なし

高知自動車道南国ICから、高知高知空港方面へ向い、県道247号線に入り、県道14号線に左折。そのまま直進して峰寺トンネルの前で左折、山道の正面。

公共交通機関でのアクセス

  • とさでん交通 後免線「鹿児」停留所下車、6.1km
  • JR土讃線(どさんせん)後免駅から南国市コミュニティバス30分
    峰寺通」バス停で下車、800m
  • 南国市コミュニティバス乗換案内
  • 竹林寺〜禅師峰寺 徒歩ルート 6.2km 移動時間 85分
  • 竹林寺→徒歩1.5km→5台山橋→とさでん交通(前浜方面)→緑ヶ丘三丁目→徒歩2km→禅師峰寺

まとめ

発心の道場、徳島(阿波)の『発心(ほっしん)の道場』・高知(土佐)の『修行(しょぎょう)の道場』・愛媛(伊予)の『菩提(ぼだい)の道場』・香川(讃岐)の『涅槃(ねはん)の道場』特色のある四国の味にある地域を体感できるのは歩き遍路ならではの醍醐味です。

ヒトが暮らす場所は「楽しい」は必須条件で、楽しさを数多く発見するのも歩き遍路の醍醐味ですね。それにしても、こんにちの楽しさが尊いいのちによって積み上げられたことを忘れてはバチがあたります。

終戦の年の1945年7月3日午後4時23分(日本時間)、マリアナ諸島のグアム・サイパン・テニアンの3島4基地から、姫路・高松・徳島、そして高知への爆撃のためアメリカ陸軍航空軍第21爆撃集団所属第314航空団の501機のB-29爆撃機が出撃し、硫黄島を経由して、それぞれの都市へと向かった。

1945年7月4日未明。午前1時24分から同3時19分(日本時間)
徳島は、1万4千発もの焼夷弾を当時徳島市の徳島市最大の商店街であった元町付近に低空飛行で投下、その数は354,664本と膨大であり、市域の3分の2が壊滅、当時の徳島市の人口が115,508人であったため、市民一人当たり3.07本の焼夷弾が投下され市民一人当たり3.07本の焼夷弾が投下された計算で、約1000人の市民が犠牲になりました。攻撃側はここを「M.P.I」(Mean Point of Impact) と呼んでいた。

  • 徳島駅
  • 県下最大の紡績工場(敷島紡績)株式会社
  • 防毒兵器などを開発していた川崎航空株式会社
  • 沖の州造船所
    これらの施設の被害は甚大で、いずれも廃業に追い込まれた。

一方、高知には第73爆撃団のB-29が125機、高知市上空に飛来。午前1時52分から同2時52分までに、M69ナパーム弾(E46クラスター) 748.0米トンM76・500ポンド大型ナパーム弾(AN-M76) 312.8米トン計1060.8米トンの焼夷弾を投下した。死者401人、重傷95人、軽傷194人、不明22人、罹災人口40,737人。罹災面積4,186,446平方m、全焼壊11,804戸、半焼壊108戸。
高知城の一部が被害を受け、坂本龍馬の生家など江戸時代以来の高知市の貴重な街並みが失われた。南国市「禅師峰寺」周辺に残っている米軍を迎え撃つ覚悟で準備されたトーチカ跡が胸に痛いですね。お遍路で手を合わすとき、亡くなった方々の慰霊に敬意を払いながら、もう二度と戦争がないことを祈願しています。

自分忘れ

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました