こんにちは、人生100年時代のマインドフルネスなファイナンシャルプランナー、ルーティンワーカーなゲンキポリタンです。
金融市場の仕組み、財政の効果、景気のサイクルなどお金の動き方を知ることは200年ライフの必須です。
重要な項目を順を追って説明します。
景気の1循環
景気は、「不況(不景気)→回復→好況(好景気)→後退J という4 つの局面を循環する。
景気が最も悪い「谷」から最も良い「山」を経て次の「谷」までを「景気の1 循環」という。
また、景気が良い局面を「景気拡張局面j といい、景気が悪い局面を「景気後退局面」という。
景気の局面を判断するためには、さまざまな景気指標や経済指標を用いる。
GDP (国内総生産)
GDP 統計は、内閣府が四半期ごとに調査・公表している。
GDP (国内総生産)とは、一定期間に囲内で生産された財・サービスの生産額から、そのために要した費用を差し引いた総額(付加価値)のことをいう。国外で生産された分は含まれない。
一般に、GDP の伸び率(前年比、前年同期比)のことを経済成長率という。
名目GDP と実質GDP
- 名目GDP ・・・・・GDP を時価で金額表示したもの。名目値。
- 実質GDP・・・・・名目GDP から物価水準の変化分(物価上昇分・物価下落分)を取り除いたもの。実質値。
名目GDP の伸び率を名目経済成長率といい、実質GDP の伸び率を実質経済成長率という。
三面等価の法則
経済原則では、 「生産」「支出」「分配」の3 つの数値は常に等しいとされる(三面等価の原則)弘則)。
GDP(国内総生産)を支出面から見ると、最も大きな項目は民間最終消費支出(いわゆる個人消費)で、50%〜60% 近くを占める。
景気動向指数(C 1 とD 1 )
内閣府が毎月調査・公表している。
景気動向指数は、景気に敏感に反応する複数の指標(29種類)の動きを統合したものである。
C1とD1
景気動向指数には、C 1 (コンポジット・インデックス)とD1(ディフュージョン・インデックス)がある。現在、C 1中心の公表形態とされている。
C 1・・・・構成する指標の動きを合成することで景気変動の大きさや量感を測定する。
D1・・・・構成する指標のうち、改善している指標の割合を算出し、景気の各経済部門への波及の度合いを測定する。
利用の仕方
C 1 、D 1 ともに、景気に対して先行して動く「先行指数(東証株価指数等) 」、ほぼ一致して動く「一致指数(有効求人倍率等) 」、遅れて動く「遅行指数(法人税収入等) 」の3 つの指数がある。
景気の現状を判断する場合には、一致指数(有効求人倍率等)を用いる。
① C 1 一致指数
上昇している時は景気の拡張局面、低下している時は後退局面であり、C 1 一致指数の動きと景気の転換点はおおむね一致する。
② D 1 一致指数
景気拡張局面では50% を上回り、後退局面では50% を下回る傾向にある。
全国企業短期経済観測調査(日銀短観)
日本銀行が四半期ごとに調査・公表している。
全国約1 万社の企業経営者を対象として、現在の業況と3 ヵ月後の業況の予測についてアンケート調査を行う。
景気を判断する上で重要な調査とされ、調査結果のうち最も注目度の高い指標は、業況判断D 1 である。
金利の変動要因・金融政策
金融市場
お金の貸し借りが行われている場を金融市場という。
お金の借り手 がお金の貸し手に支払うお金の使用料(賃貸料)が金利で、利息、利 子ともよばれる。
金融市場は、取引期間により短期金融市場(取引期間1年未満)と 長期金融市場(取引期間1 年以上)に分類される。
インターバンク市場のコール市場では、金融機関同士で日々の短期的な資金の過不足を調整している。
なお、コール市場における代表的な金利は、無担保で、今日借りて翌日返済する無担保コール翌日物金利である。
金利の変動要因
金利は、市場におけるお金の需要と供給によって日々変動している。
主な変動要因として、「景気」「物価」「為替」「海外金利」「金融政策」があげられる。
景気と金利
景気拡大局面|企業の設備投資など齢量駐高まるため、金利は上昇する。 景気後退局面経済活動の低迷により資金需要が後退するため、 金利は低下する。
物価と金利
・物価上昇局面
好景気の際には、経済活動・消費需要が活発にな り、物価は上昇し、金利は上昇する。
・物価下落局面
不景気の際には、経済活動は低迷し個人の収入が 物価下落局面増加せず、消費需要が減退するため、物価は下落し、金利は低下する。
為替と金利
・円安局面
円安(円の価値の下落)は、輸入物価の値上がりから国内物価の上昇につながり、金利は上昇す
る。
・円高局面
円高(円の価値の上昇)は、輸入物価の値下がりから国内物価の下落につながり、金利は低下する。
1 ドル100 円が1 ドル120 円になると、100円で輸入していた商品 は、120円出さないと輸入できません。これが「円安」です。輸入物価が上昇すると、圏内の販売価格も上昇します。
海外金利と金利
金融政策と金利
金融引締政策
景気拡大によりインフレ懸念が生じ、日本銀行が 金融引締政策(売りオベレーションなど)を行う と、金利は上昇する。
金融緩和政策
景気が後退し、日木銀行が金融緩和政策(買いオ ベレーションなど)を行うと、金利は低下する。
金利変動と債券市場・株式市場
金利変動と債券市場
金利上昇|金利上昇は債券価格の下落要因となる。
金利低下| 金利低下は債券価格の上昇要因となる。
金利変動と株式市場
金利変動と債券市場
金利上昇・・・・金利上昇は株価の下落要因となる。
金利低下・・・・金利低下は株価の上昇要因となる。
金利変動と株式市場
金利上昇
景気回復によ金利上昇り株価が上昇すると金利も上昇するが、企業の借入金の金利負担が重くなることから企業業績の悪化を招き株価の下落要因となる。
金利低下
金利低下は株価の上昇要因になる。金利が低下すると債券など確定利付け商品が不利となることから、株式に資金がシフトしやすくなり、株価の上昇要因となる。
金融政策
日本銀行が行う金融政策の手段には、「公開市場操作」「預金準備率操作」がある。
金融政策の基本的な方針は、日本銀行の政策委員会の金融政策決定会合で決定される。
日本銀行は、2019年4 月現在、金融市場調節の操作目標を、マネタリーベース(日本銀行が供給する通貨量)とし「長短金利操作付き量的・質的金融緩和政策J が実施されている。
この政策では、2% の「物価安定の目標」の実現を目指す。
(1)公開市場操作
日本銀行が、短期金融市場で民間金融機関に対して国債等を売買することによって、通貨量や金利を調整する政策手段である。
売りオベレーション・・・・日本銀行の保有する国債等を民間金融機関に売ることで市場から資金を吸収し、通貨量の減少、金利上昇要因になる。(金融引締政策)
買いオベレーション・・・・民間金融機関の保有する国債等を日本銀行が買うことで市場に資金を供給し、通貨量の増加、金利低下要因となる(金融緩和政策)。
(2 )預金準備率操作
民間銀行は、法律により預金のうち一定割合を準備預金として日本銀行に預けることが定められている。預金準備率操作とは、この一定割合(預金準備率)を引き上げたり引き下げたりする政策手段である。
(3 )基準割引率および基準貸付利率(旧:公定歩合)
資金を調達する金融機関は、日々、コール市場において、他の金融機関から無担保コール翌日物金利で資金調達している。一方、一定の要件のもと、日本銀行から基準割引率および基準貸付利率(旧:公定歩合)で貸付けを受けることもできる。
財政政策
「財政」とは、国や地方公共団体による経済活動のことである。
財政には、「資源、配分」「所得の再分配」「経済の安定化」という3 つの機能があり、「経済の安定化」のために行う政策が財政政策である。
景気刺激策・・・・公共事業の拡大、減税による消費・設備投資の刺激
なお、景気刺激策として、財政政策を実施する財源のため多額の国債を増発すると、債券市場における需給悪化が懸念され、債券価格は下落し、金利上昇要因となる。
物価指数(消費者物価指数と企業物価指数)
ある時点における商品等の平均的な価格水準が、基準時点と比較してどの程度変化したかを示したものが物価指数である。
代表的な物価指数として、消費者物価指数と企業物価指数が、毎月公表されている。
消費者物価指数と企業物価指数
消費者物価指数(C p 1) 企業物価指数(C G P 1) 公表総務省日本銀行 全国の世帯が購入する商企業聞で取引される財に関 品・サービスの小売段階のする物価変動を測定する 内容 価格の変動を測定する。(サービス価格は対象外)。 国内企業物価指数、輸出物 価指数、輸入物価指数から 構成される。 採用する品目とそのウェイ価格調査では、一定の商品 その他卜は定期的に見直される。を対象に、「平均価格」が 採用されている。
なお、企業物価指数は、原油価格や外国為替の変動の影響を受けやすく、消費者物価指数よりも短期的な変動が大きい。
インフレーションとデフレーシヨン
インフレーション・・・物価が継続的に上昇する状態のこと。貨幣価 (インフレ値は下落する。
デフレーション・・・・物価が継続的に下落する状態のこと。貨幣価 (デフレ値は上昇する。
デフレのとき物価は下がっていくため、たとえば1 万円で買える物の量が増えます。つまり貨幣価値が上昇します。
雇用統計(有効求人倍率と完全失業率)
個人消費統計(家計調査と消費活動指数)
総務省公表(家計調査)
個人の消費動向を把握し、「家計消費支出」を算出する。
日本銀行(消費活動指数)
財とサービスに関する各種の販売・供給統計を基礎とし、短期的な消費活動を把握する。
マネーストック統計
日本銀行が毎月調査・発表している。
マネーストックとは、世の中 に流通している通貨量のことで、具体的には、一般法人、個人、地方 公共団体などの通貨保有主体が保有する通貨量のことである。
国や金融機関が保有する通貨量は含まれない。
なお、マネーストック統計は、「M 1 」「M 2 」「M 3 」広義流動性」の4 つの指標からなる。
預貯金
金利と利回り
固定金利と変動金利
固定金利・・・・預入れ時に決められた金利が満期まで変わらない。
高金利局面、金利低下局面で有利となる。
変動金利・・・・市場金利の変動にあわせて、定期的に金利が見直される。
低金利局面、金利上昇局面で有利となる。
単利と複利
単利・・・・当初の元本のみに利息が支払われる。利息に利息は付かない。
複利・・・・支払われた利息を冗本と合わせて、新しく元本として利息を計算する。
利息にも利息が付くため、利息の額が単利より増える。
利息が発生する期間により、1 年複利、半年複利 、1 ヵ月複利がある。
利回り
一般的には、年平均利回り(1年当たりの収益率)のこと。
預貯金等
預貯金商品には、預入期間がなく自由に預入れ・引出しができる「流動性預貯金(要求払い預貯金) 」と、預入期間を設定する「定期性預貯金」がある。
定期性預貯金は、預入期間が長期のものほど適用金利は高いが、設定した預入期間の前に中途解約すると、通常、中途解約利率が適用される。
なお、適用利率は、市場金利を基準として各金融機関が設定するが、店頭取引とインターネット取引では適用利率が異なる場合もある。
銀行の商品(ゆうちょ銀行以外)
流動性預金(要求払い預金)
- 普通預金・・・変動金利。決済口座(公共料金などの自動支払いや給与・年金などの自動受取口座)として利用できる。
- 貯蓄預金・・・変動金利。基準残高以上の場合、普通預金以上の金利が適用される。決済口座として利用できない。
- 当座預金・・・無利息の決済口座。法人利用が主である。
定期性預金
スーパー定期預金・・・固定金利。預入期間3 年未満は単利型のみ、3 年以上は単利型と半年複利型の選択(法人利用は単利型のみ)。一般的に、預入期間は10年が最長。
大口定期預金・・・・固定金利。一般に、預入期間にかかわらず単利型。預入金額1 , 000 万円以上の定期預金で、店頭表示金利を基準として、銀行との取引状況などに応じて相対により決定される。
期目指定定期預金・・・・固定金利。1 年複利型。据置期間(1年間)経過後から、最長預入期日までの任意の日を満期日として指定できる定期預金。
仕組預金・・・・デリバティブを組み込んだ預金で、通常の定期預金より金利が高いが、原則、中途解約できない。金融機関の判断で満期日が繰り上がる可能性がある。
ゆうちょ銀行の商品
2007年10月の民営化前に預入れて「独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構j に引き継がれた貯金と、ゆうちょ銀行に預入れた貯金をあわせて、預入限度額は、通常貯金(通常貯蓄貯金を含む)と定期性貯金でそれぞれし300万円ずつ、合計1 人元本2 , 600万円である。
(1)流動性貯金(要求払い貯金)
通常貯金・・・・変動金利。決済口座(公共料金などの自動支払いや給与・年金などの自動受取口座)として利用できる。
通常貯蓄貯金・・・変動金利。基準残両以上の場合、通常貯金以上の金利が適用される。決済口座として利用できない。
振替貯金・・・・無利息の振替口座(決済口座)。預入限度額がない。
定期性貯金
定期貯金・・・・固定金利。預入期間3 年未満は単利型、3 年、4 年、5 年は半年複利型。1 , 000 円以上1 , 000 円単位で預入れできる。通常貯金から定期的・自動的に積立てる「白動積立定期貯金」もある。
定額貯金・・・・固定金利。半年複利型。据置期間(6 カ月)経過後は払戻し自由で、最長10 年間預入可能。3 年までは6 ヵ月ごとの段階金利が預入時に遡って適用。1 , 000 円以上1 , 000 円単で、預入れできる。通常貯金から定期的・自動的に積立てる「自動積立定額貯金」もある。
金銭信託
信託銀行が、信託財産として顧客(受益者)から金銭を受け入れ、信託の終了時に元本と収益(配当)を金銭で顧客に返還する商品。
まとめ
200年ライフの金融資産と切ってもきれない、金融政策、金融市場、金利、預貯金などお金の動きの重要な基本を説明しました。
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