こんにちは。幸せな200年ライフを追求するマインドフルネスなファイナンシャルプランナー、ルーティンワーカーなゲンキポリタンです
建築基準法は建物を建てる時の基本的なルールを定めた法律です。
建築士を目指す方には絶対征服しないといけない法規ですが、資産をどう膨らますかを考える上では、そこまでの勉強は必要ありません。
しかし法規というのは、独特の書き方がされており、取っ付きづらく、慣れるにも時間がかかり、骨の折れる学習です。
ここでは絞り込んで学習したいと思います。
建築基準法
建築基準法は、建築物の敷地、構造、設備および用途に関する最低の基準を定めた法律で、国民の生命、健康および財産の保護を図ることで公共の福祉の増進に役立てることを目的としています。
用途制限
「都市計画法を学習する」でご紹介したように、都市計画法では用途地域を住居系、商業系、工業系に区分し、全部で13種類に分けています。
建築基準法では、この用途地域に応じて建築できる建物と、建築できない建物を具体的に定めています。用途制限といいます。
用途地域内の建築物の用途制限
【住居系】
- 第⼀種低層住居専⽤地域・・・・低層住宅のための地域です。⼩規模なお店や事務所をかねた住宅や、⼩中学校などが建てられます。
- 第⼆種低層住居専⽤地域・・・・主に低層住宅のための地域です。⼩中学校などのほか、150m2までの⼀定のお店などが建てられます。
- 田園住居地域・・・・農地を都市の構成要素として位置づけられた地域です。
低層住宅専用地域をベースに農業用施設(直売所や農家レストランなど)が建てられます。
- 第⼀種中⾼層住居専⽤地域・・・・中⾼層住宅のための地域です。病院、⼤学、500m2までの⼀定のお店などが建てられます。
- 第⼆種中⾼層住居専⽤地域・・・・主に中⾼層住宅のための地域です。病院、⼤学などのほか、1,500m2までの⼀定のお店や事務所など必要な利便施設が建てられます。
- 第⼀種住居地域・・・・住居の環境を守るための地域です。3,000m2までの店舗、事務所、ホテルなどは建てられます。
- 第⼆種住居地域・・・・主に住居の環境を守るための地域です。店舗、事務所、ホテル、カラオケボックスなどは建てられます。
- 準住居地域・・・・道路の沿道において、⾃動⾞関連施設などの⽴地と、これと調和した住居の環境を保護するための地域です。
【商業系】
- 近隣商業地域・・・・まわりの住⺠が⽇⽤品の買物などをするための地域です。住宅や店舗のほかに⼩規模の⼯場も建てられます。
- 商業地域・・・・銀⾏、映画館、飲⾷店、百貨店などが集まる地域です。住宅や⼩規模の⼯場も建てられます。
【工業系】
- 準⼯業地域・・・・主に軽⼯業の⼯場やサービス施設等が⽴地する地域です。危険性、環境悪化が⼤きい⼯場のほかは、ほとんど建てられます。
- ⼯業地域・・・・どんな⼯場でも建てられる地域です。住宅やお店は建てられますが、学校、病院、ホテルなどは建てられません。
- ⼯業専⽤地域・・・・⼯場のための地域です。どんな⼯場でも建てられますが、住宅、お店、学校、病院、ホテルなどは建てられません。
建築に関する手続
都市計画地域内、準都市計画区域内等で建築物を新築・増改築・移転するには、原則、建築計画が法令の規定に適合する旨の建築主事の確認を受けるため、工事着工前に建築確認を申請しなければなりません。
(1)集団規定
建築基準法には、単体規定と集団規定があります。
単体規定は建築基準法第2章の規定をいい、全国にある建築物の敷地、構造および建築設備に関して規制を加えるものです。
この単体規定は、個々の建築物の安全性や居住性を確保するのを目的としており、都市計画区域内の内外を問わず、建物がある限り全国どこでも適用されます。
集団規定とは、建築基準法第3章の規定をいい、原則として都市計画区域内の建築物の敷地、構造及び建築設備について規制するものです。
具体的には、建蔽(けんぺい)率、容積率、高さなどの規定、建物の用途を限定する規定などがあります。
以下、集団規定のうち、重要な項目について説明していきます。
(1) 用途についての規制
出典:公益社団法人全日本不動産協会
用途地域内の建築物の用途制限といわれるものです。
用途地域内の建築物の用途制限の表で、住居系については、規制の厳しい用途地域で建築可能な建物は、より規制の緩やかな用途地域では建築可能となっていることを確認してください。。
寺院~保育所、住居、店舗、大学、自動車車庫についても確認してください。
なお、特定行政庁(建築主事を置く市町村では市町村長、それ以外は都道府県知事)の許可があれば、この用途制限規定にかかわらず、建築物を建築することができます。
また、敷地が2つ以上の用途地域にまたがるときは、過半の敷地の属する地域の用途制限を受けることとなります
例)下記の土地を一体として利用する場合、面積の大きい方(B 200㎡)の
商業地域の用途制限が全体(A100㎡+B200㎡)に適用されます。
(2)道路に関する制限
市街地における道路は、単に人や車が利用するということにとどまらず、たとえば防火・避難・建築環境などとも密接に関係するものです。
このため、建築基準法では、敷地の接道条件、道路内の建築制限、道路幅員による容積率制限、道路斜線制限といった要件について規定を設けています。
- 幅員(道幅)が4m以上の道路
- 幅員(道幅)が4m未満の道路で、建築基準法が施行されたとき、すでに存在し、特定行政庁の指定を受けている道路→2項道路といいます。
建築基準法上でいう道路とは、都市計画区域、準都市計画区域内にのみ適用されるもので、幅員 (ふくいん) 4m以上のものをいう(特定行政庁が土地計画地方審議会の議を経て指定した区域内においては6m以上)。
ただし例外として、建築基準法第3章のいわゆる集団規定の適用の際、現に建物が立ち並んでいる場所の幅員4m未満の道で特定行政庁が指定したものも含まれる(法42条2項に規定されていることから2項道路という)。
①接道義務
- 幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない
都市計画区域、準都市計画区域内の建築物の敷地は、建築基準法に定める道路(自動車専用道路を除く)に、原則として2m以上接していなければ建物を建てることができません。
ただし、敷地の周囲に広い空地を有する建築物などで、特定行政庁が交通上、安全上、防火上および衛生上支障がないと認めて建築審議会の同意を得て許可したものについては、この接道義務の規定は適用されません。
②2項道路とセットバック
しかしながら、わが国の現況では、幅が4m未満の道が多数存在しているため、次の1.~3.の条件を満たせば、その道を「建築基準法上の道路とみなす」という救済措置が設けられています(建築基準法第42条第2項)。
2.建築基準法が適用された際にその道に現に建築物が立ち並んでいたこと
3.特定行政庁(知事や市長)の指定を受けたことでの救済措置による道路のこと
これらを、その条文名をとって「2項道路」と呼んでいます。
道路として扱う以上あくまで幅員は4mであるという考えから、2項道路の場合現況道路の中心線から水平距離2mずつ両側に後退した線が道路境界線とみなされます。
2項道路に接面する敷地上に建物を建てるときには、敷地をその道路境界線まで後退します。
(3)建蔽(けんぺい)率
①建蔽率
建蔽率は敷地面積に対する建築物の建築面積(1階部分の床面積)の割合です。
建蔽率 = 建築面積 ÷ 敷地面積
( 建築面積 = 敷地面積 × 建蔽率 )
建蔽率の最高限度
②建蔽(けんぺい)率の緩和
- 特定行政庁が指定する角地………… 10%緩和
- 防火地域内に建築する耐火建築物… 10%緩和
- 両方に該当する場合………………… 20%緩和
すべての都道府県、および政令で指定した人口25万人以上の市には建築主事の設置が義務づけられている(建築基準法第四条)。
建築主事とは、建築確認を行うため地方公共団体に設置される公務員。
つまり、人口25万人以上の市では建築主事を置くため、市長が特定行政庁となる。
25万人未満の場合、都道府県と市町村の協議によって、知事か首長が特定行政庁になるが、人口10万人以上の都市の多くで市長が特定行政庁となっている。
③建蔽率の制限のないもの(=建蔽率100%)
次のいずれかに該当する建築物については、建蔽率の制限はありません。
- 建蔽率が80%とされている地域で、防火地域内にある耐火建築物
- 巡査派出所、公衆便所、公共用歩廊
- 公園、広場、道路、川等の内にある建築物で安全上、防火上及び衛生上支障がないもの
④敷地が建蔽率制限の異なる地域にわたる場合の取り扱い
建物の敷地が建蔽率の異なる規制数値である異なる複数の地域にわたる場合は、それぞれの地域の建蔽率の最高限度の数値に、その地域に係る敷地が敷地全体に占める割合を乗じた数値の合計が、その敷地全体の建蔽率の最高限度になります。(加重平均)
⑤建物の敷地が防火地域の内外にわたる場合
この場合においてその敷地内の建物の全部が耐火建築物であるときは、その敷地は、すべて防火地域内にあるものとみなして建蔽率の緩和に関する規定を適用する(法53条)。
建築物が防火地域と純防火地域にわたる場合、原則として、その建築物のすべてに防火地域内の建築櫃に関する規定が適用されます。
(4)容積率
建築物の敷地が接する前面道路の幅員が12m未満である場合、当該建築物の容積率の上限は「前面道路の幅員に一定の数値を乗じたもの」と「指定容積率」のうち低い方になります。
①容積率
容積率とは建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(比率)。
(注)延べ面積とは、建築物の各階の床面積の合計。
一般に「延床面積」と呼ばれたりしますが、正式には「延べ面積」という。
壁(壁芯)などで外部と分けられた建物内部の面積のこと。
容積率 = 延床面積 ÷ 敷地面積
したがって延べ面積は下記のように計算します。
延べ面積 = 敷地面積 × 容積率
建築基準法では、都市計画区域および準都市計画区域内において、用途地域の種別や建築物の構造に応じて、容積率の限度を定めている(建築基準法第52条)。
延べ面積は建物の各階の床面積の合計だが、容積率の計算の際は、“一定条件に合う地階の床面積は含まない”などの規定があるため、実際の延べ面積より小さい数値になることがあります。
敷地面積200m2、容積率60%の場合、その敷地に建てられる建物の延べ面積は、敷地面積に容積率をかけて求められ、120m2となります。
しかし、
実際の容積率は、この指定容積率のほかにその土地に接面する前面道路幅員によっても影響を受けます。容積率は、12m未満の前面道路の幅員による制限も受ける。
住居系4/10、住居系以外6/10。
- 前面道路の幅員が、「12m未満 」の場合の制限
- 住居系地域 →「指定容積率」と「前面幅員×4/10」を比較
- 住居系以外の地域 →「指定容積率」と「前面幅員×6/10」を比較
- 敷地が複数の容積率の地域にまたがっている場合は、それぞれの地域の部分の面積比にもとづく加重平均により容積率を算出する
- 建蔽けんぺい率も容積率も、「率」とついたら加重平均で算出。
なお、特定行政庁が指定する区域内ではない。
容積率の最高限度は、用途地域ごとに決められています。
(5)高さ制限
低層住居専用地域(第1種・第2種)および田園住居地域では、建築物の高さは、原則として、10mまたは12mのうち、都市計画で決められたものを超えてはならない。
(6)防火地域・準防火地域
建築物が防火地域、準防火地域にわたる場合においては、原則としてその全部について防火地域内の建物に関する規制が適用されます。
防火地域>準防火地域>無指定地域。
- 防火地域、準防火地域の制限
- 防火地域・準防火地域に指定されると、建築物の階数、延べ面積に応じて構造制限を受ける。
準防火地域で、3階(地階除く)かつ延べ面積500㎡以下のときは、一定の技術的基準に適合する木造建築物を建築できます。
防火地域または準防火地域にある建築物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができます。
防火規制純防火地域なので建蔽率の緩和が受けられる
*10%は、建蔽率・容積率の緩和割合
(7)斜線制限
建築物の高さを、一定の斜線を超えないようにする制限で、道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限の3種類があります。
このうち、道路斜線制限は、すべての用途地域で適用されます。
(8)日影制限(日影による中高層の建築物の高さの制限)
一定の時間は隣地に日影を生じさせないようにする制限で、住宅系用途地域、近隣商業地域、準工業地域は制限対象であり、「商業地域、工業地域、工業専用地域」の3つは対象区域外です。
(ただし、自治体によって制限対象が変わる場合があるのえ、注意)
その他の法律
農地を転用(農地以外のものにすることをいいます。)する場合又は農地を転用するため権利の移転等を行う場合には、原則として都道府県知事又は指定市町村の長の許可が必要です。
指定市町村とは、農地転用許可制度を適正に運用し、優良農地を確保する目標を立てるなどの要件を満たしているものとして、農林水産大臣が指定する市町村のことをいいます。
指定市町村は、農地転用許可制度において、都道府県と同様の権限を有することになります。
なお、国、都道府県又は指定市町村が転用する場合には許可は不要とされていますが、学校、社会福祉施設、病院、庁舎又は宿舎のために転用する場合には、許可権者と協議を行う必要があり、協議が整った場合には許可を受けたものとみなされます。
また、市街化区域内農地の転用については、農業委員会への届出制となっています。
- 農地転用には都道府県知事又は指定市町村の長の許可が必要
- 指定市町村とは農林水産大臣が指定する
- 市街化区域内農地の転用については、農業委員会へ届出
1. 農地法
農地法は、「農地はその耕作者自らが所有することを最も適当であると認めて、耕作者の農地の取得を促進し、およびその権利を保護し、並びに土地の農業上の効率的な利用を図るためその利用関係を調整し、もって耕作者の地位の安定と農業生産力の増進を図ること」としている。
農地とは、「耕作の目的に供される土地」をいい、現に耕作されている土地のほか、休耕地・不耕作地も含み土地の現況によって区分するもので、土地登記記録の地目で判断するものではない。
農地の権利移動、転用には許可が必要。許可を受けないと、契約は無効となる。
- 農地のままでの権利移動(3条)(農地を他人に売却等)
- 農業委員会または都道府県知事の許可が必要
- 農地の転用(4条)(農地を自己のために宅地に転用等)
都道府県知事または農林水産大臣の許可が必要
- 転用目的の権利移動(5条)(農地を宅地に転用する目的で他人に売却等)
- 都道府県知事または農林水産大臣の許可が必要
- ただし、市街化区域内にある農地についての、農地の転用(4条)と転用目的の権利移動(5条)については、事前に農業委員会に届け出ればよい。都道府県知事の許可は不要。
農地の賃貸借については、登記がなくても引渡しがあれば新たな農地取得者などの第三者に対抗できる。また、賃貸借を解除するには、原則として、都道府県知事の許可が必要。
農地法3条・4条・5条の許可制度の違い
4条・・・転用
5条・・・転用目的の権利移動
農地のままの権利移動(3条)は、農地が耕作出来ない者へ移転されることを規制するため、市街化区域でも農業委員会の許可が必要。
転用となる4条・5条は市街化区域農地なら農業委員会への届出でよい。2. 生産緑地法
市街化区域内にある農地等で、一定の500㎡以上の区域については、都市計画に土地所有者等の同意を得て生産緑地地区を定めることができます。
また市区町村が条例により定めた場合は、面積要件を300㎡以上まで引下げ可能です。
生産緑地として指定された農地は、農地等として管理しなければならず、農業等を営むのに必要な施設や農作物を製造加工する施設、直売所、農家レストラン等を除き、建築物の建築や宅地造成ができないなどの行為の制限を受けます。
違反した者に対しては、市町村長は原状回復命令を出すことができる。
生産緑地地区が指定されると、固定資産税が農地課税となり大幅に軽減され、相続税の納税猶予の特例も受けることができます。
生産緑地地区の都市計画の告示後30年経過するか、公示後に主たる従事者が死亡したとき、時価で市町村長に買取りを申し出ることができる。
また30年経過した後、更に10年買取りの申し出時期を延長することも可能。
申出から3ヵ月以内に所有権の移転が行われなかったときは、行為の制限が解除される。
3. 土地区画整理法
土地区画整理事業は、都市計画区域内で、公共施設の整備改善および宅地の利用の増進を図るために行われる市街地開発事業です。
個人、土地整理組合、地方公共団体等が施行します。
古い街区を新しい街区に区画することになるが、施行区域内での建築等の制限と仮換地(仮の換地として指定され使用・収益する土地)や換地処分(原則事業完了後に行われる土地の交換)などを規定しているのが、土地区画整理法です。
仮換地が指定されると、原則、仮換地について従前の宅地と同じ内容の使用または収益をすることができるようになり、逆に従前の宅地については使用・収益できなくなります。
所有権は換地処分までは従前の宅地の上に存する。
公共施設の整備等に多額な事業費がかかるため、所有者が提供した宅地の一部を保留地として定めて売却し、事業費に充てることがあります。
減歩
公共施設の整備などの目的で、土地の所有者から土地の一部を提供してもらうこと
換地
従来使用していた宅地を別の場所に移動してもらうこと
仮換地
換地処分の前に、仮の換地として指定される土地。
仮換地が指定されると従前の土地は使用できなくなる。ただし売買はできます。
保留地
換地として定めず、売却目的で施行者が確保している土地。
売却代金は区画整理事業の費用に充てられます。
まとめ
接道義務
- 幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない
敷地の容積率
- 道路幅員12m未満に接する敷地の容積率は、「指定容積率」と「前面道路の幅員×法定乗数」のいずれか厳しい(少ない)方が限度です。
防火地域と準防火地域にまたがる場合の規制
- 厳しい方の防火地域の規制が適用される。
- 防火地域>準防火地域>無指定地域。
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