返本還源(へんぽんげんげん)
「十牛図」は、中国・北宋時代の廓庵師遠(かくあんしおん)のアイデアと言われています。日本には室町時代に伝わりました。
禅を学ぶ入門書として有名な「十牛図」は、禅だけでなく、自己発見あるいは自分を高める教科書として、書道・武道・華道・歌道など「道」とつくもの、自己発見に広く活用されています。
道を極めるとは、一切の執着を離れ、あるがままに任せること。
「十牛図〜返本還源(へんぽんげんげん)」の記事は次の方のお役に立ちます。
- 自分探しをしている方
- ありのままの自分でいたいと考えている方
- 自分らしさにこだわっている方
- もっと自分を高めたい方
- 禁止令に苦しんでいる方
「十牛図〜返本還源(へんぽんげんげん)」では、長い「迷い」とやっと到達した「悟り」の間での葛藤を克服してみると、そもそも一塵のけがれもなかったことがわかりました。
深層心理にある「執着」さえなくなれば、修行の必要もなく、全てを大自然に任せてあるがままに受け入れれば良いのです。
「十牛図」返本還源(へんぽんげんげん)
「十牛図」9番目の絵は、返本還源(へんぽんげんげん)
ブッダの教えは、「原因=結果」というシンプルなものです。
原因がよければ結果も良い、良い原因を作る方法が、「自灯明・法灯明」です。
ところがこの世に生を受けた人が、なかなか実践できません。
その理由に個人が意識できない自我「末那識」さらに奥には根本識と呼ばれる「阿頼耶識」という深層心理で蠢く「蔵」があります。
「末那識」「阿頼耶識」には、禁止令が収納されています。
禁止令は本人が意識できませんが、「〜してはいけない」というメッセージが収納されています。
禁止令
禁止令の特徴は「〜してはいけない」という命令をされた形ですが、意識することができません。
また「〜してはいけない」という命令を実行するにあたって、自らが仕組んでしまうことです。
たとえば、「愛するな、愛されるな、親密になるな」という禁止令を受けた人は、愛し愛される関係ができて、プロポーズされている(求められれている)にもかかわらず、自ら関係を壊してしまいます。
どうして、そんなことになるのでしょう?
自分でも解らない「天邪鬼」な気性が邪魔をしますが、すべての人間関係で天邪鬼というわけではなく、自分が求めている人との間でだけ「天邪鬼」になります。
こうして関係を悪くする一方で、求めていない人との間では、親密な関係が作れるので、結婚にゴールすることも可能ですが、心ではいつまでも好きな人のことを想い続けます。
つまり、この禁止令の場合、子どもが愛情をもっている対象から無理に引き離される体験(親の離婚や親のケンカを目撃する)を通して出来上がっています。
そのため愛情をもっている人との間ではどうして良いか解らないという一面があることも否定できません。
しかし求めるなら学習できるはずですが、学習効果が発揮できないのには、理屈を超えた複雑な心理が働いていて、「愛するな、愛されるな、親密になるな」という思い込みを実現してしまいます。
これを裏返すと、強く求めている現実があります。
つまり「執着」です。
「執着」すればするほど、禁止令(阿頼耶識・末那識)に束縛されていくので、禁止令の束縛から逃げるには「執着せずに自然に任せてしまう」のも対策になります。
自然に任せてうまくいくのかと疑問でしょうが、それが9番目の絵「返本還源(へんぽんげんげん)」が教えていることです。
「返本還源(へんぽんげんげん)」では、長い「迷い」とやっと到達した「悟り」の間での葛藤を克服してみると、そもそも一塵のけがれもなかったことがわかりました。とあります。葛藤は執着のこと。強く思うほど迷いが出て、間違った選択を引き寄せます。
主な禁止令
- 禁止令「存在するな」
- 禁止令「愛するな、愛されるな、親密になるな」
- 禁止令「男(女)であるな」
- 禁止令「健康であるな」
- 禁止令「成長するな」
- 禁止令「子どもであるな」
- 禁止令「重要であるな」
- 禁止令「感じるな」
- 禁止令「行動するな」
- 禁止令「成功するな」
- 禁止令・・・その他
禁止令は、子どもの頃、自身が生き延びる上で重要な人から下されたものです。
そして大人になった場合でも近くにいる確率が高く、間接的なメッセージを出し続ける場合があります。
「禁止令」についてはこちらで詳しく説明しています。
いわゆる「毒親」がその一例です。その意味でも「楽観主義」が重要だといえます。
この蔵の扉を開くには、「真の自己」が鍵になります。
「自分が何を望んでいるのか」静かな海のような無我の状態で自分の心を見ることができると、「真の自己」とひとつになって深層心理の「蔵」の扉を開くことができます。
「十牛図」8番目の絵「人牛倶忘(じんぎゅうぐぼう/にんぎゅうぐぼう)」で描かれている空一円相が「無我」の状態です。
さて、返本還源(へんぽんげんげん)
返本とは、本(原点)に返(帰る)、源にたち還る。
つまり「はじめに帰り源にたち還る」を意味します。
空の世界からふたたび自然がもどってきました。
牧人の中に根本的な変革が起こったのです。
自我が消えたので、牧人は自然のようにすべてを平等視して生きることができるようになりました。
自然のようにすべてを平等視して生きることができるようになったとは、具体的にどういう現象でしょうか?
深層心理にあった蔵「阿頼耶識」「末那識」の扉が開き、解放され、自己肯定・他者肯定の構えで、人生・人間関係を捉えることができるようになったのです。
根本的な変革が起きたことで、自分を意識することもなく、自然の一部になりきったのです。
自然の一部として自分を意識することもなく、生きていけることができるようになったのです。
実生活では、この状態がすべての基礎的な原因になるので、これに則した結果が出るようになります。
楽観主義が自然
この記事の冒頭に『「執着」さえなくなれば、修行の必要もなく、全てを大自然に任せてあるがままに受け入れれば良いのです。』と書きました。
そんなに楽観的でいいのでしょうか?」と考える人も多いと思います。
「執着」さえなくなれば楽観的でいいのです。
この段階で牧人は、自然とひとつになっています。
私たちが、自然と戯れる時、自然をモノのように意識しています。つまり自然と向き合っています。
自然の一部になりきったわけではありません。
「ああ、気持ちいいな」というのは、自然を外から見ています。・
でも、「十牛図」9番目の絵は、返本還源(へんぽんげんげん)が伝えているのは、そういう自然ではありません。
自然になりきった自分ですから、自然を意識することはありません。
あなたが自分の手や足を意識しないのと同じように、自然も意識されないのです。
「人牛倶忘(じんぎゅうぐぼう/にんぎゅうぐぼう)」で円一空相を体験した段階で、この問題は既にクリアされているのです。
ステップで楽観主義をライフスタイルする
楽観主義へのステップ
- 理想の未来を掲げる
- たくさん語る
- あらゆる障害を予測し対策を講じておき、障害が発生しないように先回りする
- 穏やか、感情・情動的に耐えられるタフなスキルを伸ばす
- 挫折した場合の自分への説明力を身につける
- 楽観主義を自分のモノにする(3:1の法則)
3:1の法則
マインドフルネス」実践を奨めるサーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法では、
3:1の法則についての説明があります。
3:1の法則
3:1の法則は、ノースカロライナ大学チャペルヒル校の心理学者バーバラ・フレドリックソンが提唱したネガティブな経験を乗り越える法則。
ひとつのネガティブな経験を乗り越えるにはポジティブな経験3つが必要であると提唱した。
一般的にネガティブな体験はポジティブな経験3つに相当するという。
ポジティブな態度は明るく強くみえるが、弱々しく見えそうなネガティブな体験の方が強力だといいます。
現実には、ポジティブな体験をしていて「成功の確率」が高かったかもしれないが、マインドが「ネガティブな体験」に気をとられ、自分には成功する可能性がないと思い込んでしまった可能性があります。
深層心理にあるネガティブ思考の蔵「阿頼耶識」「末那識」には、思い込みを操る記憶が潜んでいます。
しかし、「十牛図」9枚目の絵「返本還源(へんぽんげんげん)」では、ネガティブ思考の蔵「阿頼耶識」「末那識」に惑わされない状態に達しています。楽観主義をライフスタイルにしても良い自分になっています。
もし、不安な方は「周活・週活・終活」で習慣化してしまいましょう。
習慣化する上で、「十牛図」の1枚目から8枚目は役に立つので、下にある「十牛図 10のプロセス」を参照してみてください。
周活・週活・終活
- 周活(ルーティンワーク)
- 週活(日々のルーティンワークをさらにウィークリーなものにする)
- 終活(以上のライフスタイルをライフワークする)
周活とは、
1日をルーティンワークにしてしまうこと。
毎日同じ繰り返しは退屈なようですが、一定期間でスキルを身につけるにはルーティンワークが力を発揮します。
週活は、1日をルーティンワークを一週間に発展させます。1日のルーティンワークというのは現実には存在しません。
形を作って毎日実行していくことで、夢を引き寄せます。終活は、生涯のルーティンワークにすることです。
習慣というより癖ですね。ライフスタイルのひとつになります。
ひとつのスキルを、身につjけるのに5年、人生100年 20年を引いても80年.。16のスキルに変わります。
良質、両面でスキルを進化させることも、可能です。
周活・週活・終活をする重要な理由
「十牛図〜返本還源(へんぽんげんげん)」では、自然とひとつになりきっているので、自然を感じることもないと申し上げました。
それは「自分」をも意識しないことを意味します。
ですから、勝手(自然)に任せてしまうのです。
勝手(自然)に任せてしまうために良い習慣(ルーティンワーク)を身につけます。
そうすることで疲れない、ストレスがたまらない暮らしを実現できます。
仕事と遊び、レクリエーションを殊更分けないのです。
仕事と遊び、レクリエーションを分けることにも「対立」が潜んでいます。
対立とは「私とあなた」と分けることから生じるとお話ししてきました。
仕事と遊び、レクリエーションを分ける必要が生まれたのは、現代人には緊張を緩和するする必要があったからです。
これを今後の100年時代も踏襲することには無理があります。
このような発想では自律神経がくたびれて、ノイローゼになってしまいます。
自律神経がくたびれるような暮らし方でライフシフトするのはハードすぎます。
これからの100年は過去の100年と全く別世界だと認識しましょう。
それを具現化したスタイルが「周活・週活・終活」です。
モノを減らすのと同じく、どうでもいいことに知恵を使わない暮らしが違いを生み出す違いになります。
二日酔いでもタイムレコーダー押せばどうにかなったのは、高度成長時代だからです。
これからは(これまでのスタイルでいうと)低成長、あるいはマイナス成長の時代です。
マイナス成長の時代をライフシフトするのです。
「自分が」「私が」と意識しなくても、発展させる仕組みを自身の内部に作るために「周活・週活・終活」のメカニズムを埋め込むのです。
まとめ
スノウドームはお好きですか?
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私はシャカシャカ振って、スノウドームの中が静まっていくのをみるのが好きです。
ちょうど、「はじめに帰り源にたち還る」状態です。
心も同じで、こんなふうに静まると、落ち着きます。
嵐が来て、塵が舞い、やがて静まって。。。イライラしたら、シャカシャカ振って、気を取り直す。。。
「周活・週活・終活」で、やがてシャカシャカがいらなくなります。
「十牛図〜返本還源(へんぽんげんげん)」そして楽観主義、「周活・週活・終活」、スノードーム は、お役に立ちましたか?
- 自分探しをしている方
- ありのままの自分でいたいと考えている方
- 自分らしさにこだわっている方
- もっと自分を高めたい方
- 禁止令に苦しんでいる方
▼よく解らない方は、ご遠慮なく、LINEの1:1トークでご相談くださいね。











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