100年ライフお金のゴエス|相続財産の評価を学習する②

ファイナンシャルプラン
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Naoman

こんにちは、人生100年時代のマインドフルネスなファイナンシャルプランナー、ルーティンワーカーなゲンキポリタンです。

相続財産の評価を学習する」の続きです。
ここでは家屋・預貯金・上場利付公社債・個人向け国債・生命保険契約・取引相場のあるゴルフ会員権・上場株式・取引相場のない株式などの評価について説明します。

家屋の評価方法

  • 家屋の価額は、原則として、1棟の家屋ごとに評価します。
  • 評価単位(評基通88)
自用家屋の評価(評基通89)

家屋の付属設備で、電気設備、給排水設備、ガス設備、衛生設備など建物と構造上一体となっているものは、家屋の価額に含めて評価します。

また建築中の家屋の価額は、その家屋の費用現価の70%に相当する金額によって評価します。

自家家屋の評価額=固定資産税評価額×倍率(1.0)
2.貸家の評価(評基通93)
貸家の評価額= 自用家屋としての評価額 ×(1-借家権割合 × 賃貸割合
(賃貸マンション等、満室で貸付けられている場合の賃借割合は1となる。)
3.借家権の評価(評基通94)
自用家屋としての評価額 × 借家権割合
4.建築中の家屋の評価(評基通91)
家屋の評価額= その家屋の費用現価× 70%
5.課税価格に算入しない借家権(評基通95)

借家権の価額は、その権利が権利金等の名称をもって取得される慣行のある地域にあるものを除き、相続税または贈与税の課税価格に算入しない。

預貯金の評価

預貯金は原則、下記の式で評価しますが、普通預金の価額は課税時期現在の既経過利子の額が少額であれば、課税時期現在の預入高によって評価します。

評価額=課税時期における預入高+既経過利子の額ー源泉徴収税相当

上場利付公社債の価額

評価額=最終価格+既経過利子の額ー源泉所得税相当額

個人向け国債の評価

評価額=最終価格+既経過利子の額ー源泉所得税相当額

生命保険契約に関する権利の評価

評価額=解約払戻金の額

取引相場のあるゴルフ会員権の評価

評価額=課税時期の通常の取引価格×70%

上場株式の評価

評価額=次の4つの価のうち最も低い額
  1. 課税時期の最終価格
    *課税時期に最終価格がない場合は、課税時期の前日以前または翌日以後の最終価格のうち最も近い日の最終価格
  2. 課税時期の月の毎日の最終価格の平均額
  3. 課税時期の月の前月の毎日の最終価格の平均額
  4. 課税時期の月の前々月の毎日の最終価格の平均額

取引相場のない株式の評価

日本の株式会社のほとんどは証券会社に上場していません。取引相場のない株式に該当します。

評価方式

  • 取引相場のない株式は、その会社の経営支配力を持っているのは同族株主が取得した場合は原則的評価方式で評価し、同族株主以外の株主などが取得した特例的評価方式で評価します。
  • また、原則的評価方式の場合、会社規模区分によって「大会社」「中会社」「小会社」に区分して評価します。

  • 取引相場のない株式の評価方法には、類似業種比準方式、純資産価額方式、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式、配当還元方式があります。

  • 類似業種比準方式とは、上場している類似業種企業の株価をもとにして、配当・利益、簿価純資産の3つの要素を加味して評価額を算定する方法です。
  • 純資産価額方式とは、その会社の純資産価額を相続税評価額(時価)で評価して、それを発行済み株数で割って1株あたりの評価額を算定する方法です。
  • 併用方式は、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用です。
  • 以上が同族株主が取得した場合の原則的評価方法です。
  • 同族株主以外の株主などが取得した特例的評価方法には、配当還元方式があります。

  • 配当還元方式は、その会社の直前2期間の配当金額をもとに評価額を算定する方法です。

会社規模方式

同族株主が取得する株式(取引相場のない株式)は、原則的評価方式により評価されるが、会社規模(大会社・中会社・小会社)の判定基準とする要素は「従業員数」「総資産価値」「取引金額」の3つを判定基準にします。

従業員数が70人以上の会社は大会社となります。

ただし、2006年5月に施行された会社法において、「大会社」と「それ以外の会社」という区分だけになり、今日では、定義自体がされていないため、「小会社」という区分そのものがありません。

類似業種非準方式では、1株あたりの「年配当金額」「年利益金額」「簿価純資産価額」の3つの非準要素として評価します。 (計算式参照)
大会社、中会社の場合も、「純資産価額」の方が低ければ、純資産価額方式を採用できる。

特定の評価会社

同族株主が取得する株式は原則的評価方式により評価されますが、「土地保有特定会社」「株式保有特定会社」「新設定会社」に該当する評価会社の株式を同族株主が取得した、当該株式の価額は、原則として会社規模区分にかかわらず純資産価額方式で評価されます。

類似業種比準価額の計算式

類似業種比準方式により評価を行う場合、一株あたりの年配当金額、年利益金額、簿価純資産価額の3つを比準要素として評価します。


(1) 上記算式中の「A」、「」、「」、「」、「B」、「C」及び「D」は、それぞれ次による。
「A」=類似業種の株価
」=評価会社の1株当たりの配当金額
」=評価会社の1株当たりの利益金額
」=評価会社の1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)
「B」=課税時期の属する年の類似業種の1株当たりの配当金額
「C」=課税時期の属する年の類似業種の1株当たりの年利益金額
「D」=課税時期の属する年の類似業種の1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額

(注) 類似業種比準価額の計算に当たっては、及びの金額は183≪評価会社の1株当たりの配当金額等の計算≫により1株当たりの資本金等の額を50円とした場合の金額として計算することに留意する。                          (出所:国税庁ホームページ)

(2) 上記算式中の「0.7」は大会社の場合、中会社の場合には0.6、小会社の場合は0.5をそれぞれ用います。                                                   

(留意点)

  • 上記※が2円50銭未満の場合(無配を含む)には2円50銭として計算を行います。
  • 直前期末以前の2年間における配当に、特別配当や記念配当が含まれている場合にはこれらを除いた経常的な配当金実績により計算を行います。

計算例
大会社であるX社の場合の1株当たりの類似業種比準価額はいくらになるか?
なお、1株当たりの資本金などの額は50円とする

 

純資産価額方式の計算式


37%は法人税など相当額

純資産価額を計算する場合の「評価差額に対する法人税額などに相当する金額」の計算上、法人税等の割合は37%となっています。

  • A・・・課税時期の相続税評価額による総資産額
  • B・・・課税時期の相続税評価額による負債額
  • C・・・課税時期の帳簿価額による総資産額
  • D・・・課税時期の帳簿価額による負債額
  • E・・・課税時期の発行株式数

併用方式の計算式

併用方式=類似業種比準価額×L*+1株当たりの純資産価額×(1ーL*)

*Lの割合は次のとおり
中会社の大:0.90
中会社の中:0.75
中会社の大:0.60
小会社  :0.50

配当還元方式の計算式


原則として過去2年間の平均とする

配当還元方式による株式の価額は、その株式の1株あたりの年配当金額を10%で還元した元本の金額によって評価します。

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